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メールマガジン バックナンバー 第129号(2009.08.21)
2009.08.21(第129号)
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1.政治に期待するな(論長論短 No.96)
2.スポーツジャーナリスト増田明美さんの連載コラム
ヘルシー&少しビューティー(最終回) 「革新」
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■1.論長論短 No.96
政治に期待するな
宋 文洲
私は民主党が政権をとっても自民党が政権をとっても日本はそれほど変わらないと思います。日本の問題は政治によって引き起こされた訳でもなければ政治によって解決される訳でもないからです。
高齢化は人間の幸福であって高齢者とその家族はそれを問題だと思いません。
「高齢化問題」という表現自体が失礼だと思います。少子化は一人ひとりの国民が産みたくないからであって養えないからではありません。補助金をもらえるから子供を増やそうと考える親こそ社会問題になるのです。
そもそも人口を増やせるとしてもこの狭い国土に何人居るべきかについてどの党のマニフェストも語りません。補助金の数字目標だけを載せて目的である人口の数字目標を載せないのは理屈が合わないのです。
人口をそんなに増やしたいならば、一人ひとりの国民が誰に投票するかで悩むよりも自分で家族を増やせばいいのです。子孫だけは自分で行動を取らないと誰も助けてくれませんから。
官僚は悪の根源と言いますが、「日本は優秀な官僚が居るから高度成長ができた」と、20年前の私はよく一般の方々に教えられたものです。今となると明らかに税金を納めていない人からも官僚達が「血税を無駄に使っている」と言われます。高い志をもって官僚になり、安い年収で頑張っている同級生がかわいそうでなりません。
人を雇ったら給料を払うのは当然のことです。国民に雇われた公務員がリーマンやAIGの幹部のような高給をもらっている訳でもなく、中国の官僚のように賄賂をもらう人も少ないです。何かあったら「血税」どうのこうのを言われてもフェアではないと思います。あなたが毎日経営者から「給料泥棒」と言われたらどうなるでしょうか。
成長政策を言いますが、嫉妬心が強く、内向きな国民が増えた今、政府がいくら頑張っても経済は成長しようがありません。逆に政府が頑張れば頑張るほど借金が増えるだけなのです。
スーパーでは最近外国産の食品が少なくなっている傾向にあると思いますが日本の食料自給率はなんと40%で世界最低というのです。この数字の作り方は国際的な笑い話ですが、なんと小学校の教科書にも載っています。最近やっとどこかの番組が報道されましたが、裏番組の酒井法子の話題に抑えられ、殆ど見られていなかったようです。
中国食品が毒の塊のような世論が出来ていますが、日本の単位面積の農薬使用量は世界で最も高いという事実を知る人は少ないと思います(世界平均の3倍前後だと思います)。農薬を買うお金のない中国の農民は日本よりはるかに少ない農薬しか使えない事実は、情報も言論も自由である日本国民にも伝わりません。なぜならば、それを知りたくないからです。
「政治家がビジョンを示さないから夢が持てない」とよく聞きますが、「国家ビジョンの下で夢を持つ」発想はまるで戦前の日本と今の北朝鮮です。民主主義環境下の今、もしそれが本音であれば実に恐ろしいことです。
日本の過去も現在も未来も政治家によって決まるものではありません。世界の国々と同様、全てのことは国民一人ひとりの責任です。どんな国においてもどんな時代においても次の原理原則は変わりません。
政治のレベルは国民のレベルである。
P.S.
怒られるような話をした直後にあれなんですが、友人の出井さんからの依頼です。宣伝ではありますが、共感と共鳴があるからご紹介します。興味のある方のみ下のURLをクリックしてください。
http://www.aif21c.com/
出井さんが居なくなったと思ったら、社長も副社長も広報の役員も居なくなってソニーの経営陣には友人も知人も居なくなりました。寂しい限りですが、日本の政治のせいにできませんね。
(終わり)
今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://www.soubunshu.com/article/126101651.html
■2.スポーツジャーナリスト増田明美さんの連載コラム
ヘルシー&少しビューティー(最終回) 「革新」
スポーツジャーナリスト 増田明美
菩提樹、ポプラ、マロニエ、様々な木々に包まれる街、ベルリン。ブランデンブルク門を抜ける風は爽やかで、ポツダム広場に残された高さ3m程の壁の一部以外、二十年前を思い出させるものは少ない。市の中心に広がる広大な公園「ティーア・ガルテン」は、訳すと“動物の庭”という名前らしい。朝ジョギングに出かけると、緑のすき間からウサギやキツネがひょっこり現れ、目が合う。思わず「お邪魔させて頂いています」と言いたくなるような感じ。森の自然が気持ちいい。
さて、なぜベルリンかというと、世界陸上の中継のために8月12日から2週間滞在している。前半戦の主役は何といっても男子100mのウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)だった。ゴールを駆け抜け、“9.58 WR(世界新記録)”と電光掲示板に表示された瞬間に、5万人を超える観客のうなり声が夜空に響いた。
私にはまるで夢を見ているような空間だった。鮮やかな青色のトラックを走るボルト選手は水中を泳ぐイルカのように見えた。身長196cmの体は元横綱の曙さんと同じ位だというが、その体を持て余すことなくしなやかに動かす姿が美しかった。速いとか強いというイメージよりも先に、美しいという感動が残る。
「天文学的な数字ですよ」と100mの日本記録保持者で解説者の伊東浩司さんは放送後、あっけにとられたように話した。控え室に戻るとテレビ中継のメインキャスターの織田裕二さんは「人類はすごい、マラソンなら2時間を切るような衝撃ですね」とやはり興奮を抑えきれない様子。歴史的な偉業を目の前で観た感動の共有は人を喜ばせ、結び付ける。暫し皆余韻を楽しんだ。この夜のピルスナービール、ヴァイツェンビールは格別だった。
伊東さんは「ボルトは時空を超えた」とも話した。100mの世界記録、10秒の壁を初めて破ったのは、1968年のメキシコ五輪を9秒95で優勝したジム・ハインズ選手(米)。高地のため空気抵抗が少ないおかげでもあったが、その記録を破ったのは1983年に9秒93を記録したカルビン・スミス選手(米)。何と15年の月日を要した。9秒9の壁を破ったのが8年後、1991年のカール・ルイス選手の9秒86(米)。9秒79が記録されたのは、それから8年後の1999年、モーリス・グリーン選手(米)。しかしそこから9年後、2008年の北京五輪でボルト選手は、ゴール手前20mから流しながら9秒69。最後まで真面目に走った今回は9秒58!
人類が10年ずつかけて進化してきた過程を、ボルト選手は1年で飛び越えたわけだ。まさに革新をもたらした。なぜそれが出来たのかと考えると、12歳で陸上を始めた彼の才能を見出し開花させてくれた指導者がいたからだ。また、それを様々な支援者が支えた。革新は突如訪れる。しかし、革新の芽を育てる環境が必要なことは言うまでもない。
100mを9秒58で駆け抜けたボルト選手は、ウイニングランの後、3位に入ったパウエル選手(ジャマイカ)から携帯電話を受け取った。インタビューをしようと待つ報道陣の前で5分以上も長話。足は速いが、話は遅いようだ。
※1987年に記録されたベン・ジョンソン選手(カナダ)の9秒83は、本文では考慮しませんでした。
(終わり)
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