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メールマガジン バックナンバー 第134号(2009.10.30)

2009.10.30(第134号)

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1.権力、富、心(論長論短 No.101)
2.ゾマホンさん連載コラム 「人生甘くないよ」 (第5回)
日本の若者たちへ


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■1.論長論短 No.101
権力、富、心

宋 文洲

「民主党政権が予想以上に政権運用にこなれている」。こう感じるのは私だけでしょうか。自民政治に飽き飽きなのになかなか野党に政権を渡す勇気が無かった多くの人が「なんだ、もっと早くやればよかった」と思っているに違いありません。

権力と富には魔力があります。人間は一度手に入れたらなかなか自ら手放さないのです。しかしその結果、大体の人は志を失い、どこかで大きく行き詰まります。賢い富豪が子孫に富を残さないのは他人のためではなく、自分の子孫のためです。生きる力、働く意欲を奪われたくないからです。

企業に権力に長くすがる人間がいるとその企業は必ず活力を失います。国に権力に長く執着する政治家がいると国は必ず大きな壁にぶつかります。これはもう民主主義とか社会主義などの主義主張と関係ない原理原則です。

中華人民共和国が成立した当時、前政権の国民党の腐敗を批判してきた著名民間人が毛沢東に聞きました。「中国共産党が腐敗したらどうしますか」と。すると毛沢東は「我々は腐敗を防ぐ新しい手法を見付けました」と答えたそうです。

確かに初期段階では大変清潔な時期がありましたが、数十年がたつ今、ご存知の通り、腐敗は中国政治のガンになっているのです。

政党、体制、国家、文化などは関係が無いのです。我々人間は権力と富に憧れ、権力と富に溺れていくのです。よほどの精神的鍛錬がない限り、なかなかその魔力から逃れることができないのです。だから政権交代の仕組み、だから経営者の流動性が必要です。

私は権力と富を無条件に批判することに賛成しません。権力のない人、富のない人が同じ立場になると同じ振る舞いをするのです。いつもマスコミの権力を批判する大手の経営者を知っていますが、彼が満足すれば新聞が彼の社内報になり、テレビが彼の社内放送になってしまいます。

中国の地方官僚や成金の多くは傲慢で威圧的ですが、貧乏な田舎者に同じ権力と富を与えた場合、果たして彼らはもっとましな振る舞いをするでしょうか。
高級車に乗る金持ちの運転マナーは目に余りますが、やっと手に入れた大衆車を運転する田舎者が自転車の人にもっと傲慢な態度を見せているのです。

今朝、築地を散歩していると足が脹れたかわいそうな老人浮浪者を見かけました。近くの交番の警官に「あの人は大丈夫か」と聞きましたが、「あ、あのひとですか。彼は施設からすぐ逃げ出すし、競馬もするんだよ。お酒も二級酒じゃなくて一級酒しか飲まないですから」と。

私は急に安心して交番を離れましたが、警官の呟きがまだ後ろから聞こえてきます。「癖の悪い人が多くてね、近所の人が善意で家の風呂を入れると盗みをするんだよ・・・」

権力と富が必ず人をダメにすると言いたかったのですが、権力と富と無縁だからといって人が善に帰する決まりもないな、と複雑な思いを抱く今日この頃。

(終わり)

今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://www.soubunshu.com/article/131479158.html


■2.ゾマホンさん連載コラム 「人生甘くないよ」 (第5回)
日本の若者たちへ

ゾマホン

これまでのメルマガでは、「私のこれまでの人生」「アフリカの事実」「マスメディア」についてふれてきました。これまで読んでくださった皆様に心からお礼申し上げます。ありがとうございます。

このメルマガも残すところ2回ということですので、今回は日本の若者たちへのメッセージを書かせていただきます。このメルマガを読まれている方は、ほとんどが社会人の方だと思いますので、私のメッセージはその方々に向けて書かせていただきます。

【日本の若者たちへ】
まず、あなた方は「日本の柱」です。「日本の柱」というと「世界の柱」といっても言いすぎではありません。あなた方は世界を救う力があると思います。
これはお世辞でゾマホンが言っていることではありません。お酒を飲んで酔っ払っているわけでもありません。

世界を見渡せば、まだまだ生きるのにも苦しい地域は沢山あります。母国ベナンでも水が透明だということを知らないで、死んでいく子どもも沢山います。
井戸がなく、濁った水しか見たことがないからです。アフリカ大陸では飢餓や不衛生に伴う病気で、毎日8,000人以上が死ぬと言われています。あなたがこのメルマガを読んでいる間にも、尊い命が亡くなっています。

世界はまだそんな状況です。

それに比べると日本は大変恵まれています。蛇口をひねれば、当たり前のように透明な水が出てきます。お腹が減ったらご飯を食べることができます。勉強したくても、したくなくても学校に通います。そして大学にも行くことができます。そんな恵まれた国は、世界を見渡してもそんなに多くありません。

だから私は日本の若者たちに期待したい。この国の若者であれば、きっと世界における様々な問題を解決してくれるのではないかと・・・

だから私は日本の若者に強く言いたい。マスメディアに惑わされず、欧米の言うことに無条件で賛成せず、事実は自分の目で見て確かめて欲しいと。

日本は失業率が5パーセントを超え、不景気で大変なことも存じ上げております。
職場では、朝早くから遅くまで一生懸命働いていることも存じ上げております。
そんな状況なので、若者たちは将来が不安になったり、将来を考えることができなかったりするかもしれません。

しかし、世界から見ると、あなたは恵まれた環境で育った貴重な人材です。だからいつも気持ちのどこかで「世界のことをもっと知ろう」という気持ちを失わないで欲しいと思います。

そして私と同じ世代、もしくはそれ以上の方は日本のため、世界のために立派な若者を育てて欲しいと思います。日本の大黒柱、いや世界の大黒柱として。

もう一度最後に言います。私は日本人にお世辞を言っているのではありません。
私はアフリカから来た人間として、この日本がどれだけ恵まれた国かを知っています。そして、なによりも日本人は「お元気ですか?」の返答に「お蔭様で・・・」という挨拶があるように、相手のことを思いやる国の人たちだから。

“相手の事を思いやる”それが今一番大切な事だと私は思っています。

今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

ベナンについて詳しくは私のサイトも参考いただければと思います。
http://www.zomahoun.com/

(終わり)

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