|
|
 |
メールマガジン バックナンバー 第15号(2005.1.20)
2005.1.20(第15号)
━━━
1.NHKラジオ生出演(宋)〜「脅威から共存へ」〜
2.キヤノン販売 村瀬治男社長に聞く:「顧客主語」って何ですか?(2)
3.宋文洲の日本の長所・短所(連載1)
4.「中小企業成長の「鍵」はやっぱり営業だ」
━━━
■1.NHKラジオ生出演(宋)〜「脅威から共存へ」〜
[ 12月14日(火)NHKラジオ第1 ] 生放送出演
<出演者>
ソフトブレーン株式会社 取締役会長 宋 文洲
解説委員 NHKスペシャル エグゼクティブ・プロデューサー 大島 春行
ラジオセンター NHKラジオ夕刊・キャスター 中野 由貴
(大島):シリーズでお伝えしております新しい日中経済関係、脅威から共存へ。今日は日本で立ち上げた会社を上場させたソフトブレーン会長の宋文洲さんにお越しいただきました。宋さんこんばんは。
(宋):こんばんは。
(中野):こんばんは、よろしくお願いします。
(大島):宋さんは20歳のとき来日しました。人民服を着ていた中国政府の国費留学の学生さんでした。在学中に会社を起こして、ITを使って営業向けソフト開発のビジネスを成功させたということで、成人してから日本にいらした外国人が、会社作って上場させたのは、宋さんが初めてだということです。それで、「やっぱり変だよ日本の営業」という本をお書きになったことがあって、これはベストセラーになってるのだそうです。宋さん日本の営業の何がおかしいですか?
(宋):あまりたくさん言うと時間ないんですが、極端なことを言うと、要は生産と製造において、日本は一流ですが、営業となると実は組織的に仕組みを作り、研究するようなカルチャーがないんです。属人的に、つまりその人間に任せきる。属人的かつ非科学的です。
(大島):非科学的ですか?
(宋):はい。これは日本の製造業と正反対です。よくご存じの人情で売るとか。よくGNP営業といいます。GNPは何かというと、決して国の生産高ではなく、義理・人情・プレゼント(笑)。いいでしょう?これ。
(大島):(笑)GNP。
(宋):ええ。
(中野):(笑)あー。
(宋):これはよくある。
(大島):よくある。あーなるほど。
(宋):こんな営業の仕方では効率は上がらないんです。下手をすると押し込み営業になります。皆さんがお家でたまに経験されますね。深夜に押し込みや営業の電話ですとか。
(大島):ありますな。
(宋):土日のしつこいチャイム鳴らす営業ですとか。一人ひとりの営業マンはごく普通の善良な日本の市民です。だけども営業マンとなったら変身するんです。企業の論理に乗っ取って、「売れてなんぼ」といいます。でも、本来はお客さんの立場に立ってみた場合は、「売れてなんぼ」ではなく、やっぱりお客さん「満足してなんぼ」じゃないのですか。
(大島):なるほど。
(宋):本当はね。だけども、この数十年間は、とにかく営業の発想は変わってないです。「売れてなんぼ」と言いますね。
(大島):先ほど宋さん、属人的、日本の営業は属人的だとおっしゃったんだけども、属人的っていうのはどういう意味ですか?
(宋):属人的つまり帰属の属です。その人間に属するようなやり方。個人個人、要は組織としてのやり方を決めていないのです。
(大島):そうするとなんていいますか。
(宋):営業マンの腕前に。
(大島):トップセールスマンに頼るみたいなことですか?
(宋):そうです。ええ。もうトップじゃなくてもその人間に任せきっている
んです。
(大島):任せきっている?
(宋):だから、好きなように売れと。売れればいいのだと。
(中野):そういったノウハウっていうのは、でもあるのですか?
(宋):ありますとも。やっぱり営業はそもそも何のためにあるかというわけです。根本的な問いかけしたときは、やっぱり会ったお客さんに売りつけるのは目的ではなく、そのお客さんがどういうことで悩んでいるか。だから、売る力じゃなくて知る力ですね。その人を知る。知ったうえで、その悩みを解決するためには、私の商品をどう活用してくれるのかな、それに対して今度提案して、お客さん満足して買ってくれた場合は、それで終わりではないのです。その後は今度その商品使って本当に価値が出たかどうか。その商品は不都合あるかないか。メンテナンスです。このサイクルをずっと保証してあげれば、商品は自然に売れるはずなんだけど。だから結果主義ですよね。
(大島):なるほどね。
(中野):お客様の声ですとか、その望みというものを、営業の人がまずはきちんと知ること。
(宋):そうなんです。
※ 続きをお読みにになりたい方はこちらへ
http://www.softbrain.co.jp/new/detail.php?109
■2.キヤノン販売 村瀬治男社長に聞く 「顧客主語」って何ですか?(2)
(フィナンシャルジャパン2月号より)
業務の「定型化」が重要 判断の鍵は課長クラスにあり
(宋) その意味では、環境変化にかかわらず、肝になる営業タスクとは何でしょうか。
(村瀬) バジェット、オーソリティ、タイミングの三つですね。
(宋) なるほど。いくら売りたくても、お客さまに予算がなければ、ニーズがなければ、タイミングがなければ、キーパーソンと会って話を聞かなければ、客観的な基準をクリアしていなければ売れるわけがないと。すると、現場で判断ができないのは、具体論の積み重ねがないからですか。
(村瀬) 現場での判断をうまく定型化して報告できないところがあるんですよね……。
(宋) 定型化とはどういう意味なのでしょうか。
(村瀬) 定型化とは、たとえばアプリケーションを販売するには、お客さまのビジネスフローを理解して、そこにほかの何が必要かを判断するわけです。自社で持っている技術や能力、製品を基に、この部分はパートナーとのコラボレートで埋めて全体像を構築していきます。当然、一人で何もかも判断できないから、チームワークが絶対必要になる。チームとして仕事を分担しながら全体の絵を描くには、現場からチームに課題や案件を効率よく下ろしていく必要があります。そこで何種類かのパターンに分けて、こういう全体の絵が描けそうだというものを提示する。それが定型化です。それがないと、声の大きい部分だけが前に出てしまうんです。
(宋) チームワークにブレークダウンしていくということは、基本的にプロセス・マネジメントだと解釈してよろしいんですか。
(村瀬) そうです。バックアップ部隊にもシステムエンジニアやネットワーク、サービスなど、さまざまなプロフェッションを持っている人がいます。各々が違う発想で勝手に部品を用意したら、一本のシステムになりません。だから「これはこういうパターンです」という類型化、定型化が必要なんです。
(宋) それは誰がやるんですか。
(村瀬) まず個人がある程度まで自分で表現できる必要があります。そこまでの能力は自分の持ち分の中で高めてほしい。それを統合するのが課長から課長代理クラスのPM(プロジェクト・マネージャー)の仕事でしょう。プロジェクト・マネジメントが必要なんですね。
(宋) 課長クラスが判断のキーだとすると、「課長、どうしましょう」と言われて「知りません」と答えたらおしまいですね。
(村瀬) そう(笑)。二〇〇五年四月を目指して人事制度改革を進めておりまして、そのために今の業務プロセスの棚卸しをやっています。身もフタもない話ですが、もしかしたら、棚卸しの結果として、自分のやっている部門の仕事がどこにもつながっていないと気づくこともあり得ると思います。
(宋) 結果的に「あなたの部署は要らない」ということになると辛いですね。
(村瀬) 辛くてもやらないとお互いに不幸ですよ。お客さまのいない仕事は会社のロス。お客さまがいる仕事に、しかるべき能力を持った人を置いたほうがモチベーションも上がります。電気配線と同じで、スイッチはあっても、切れている配線や誰も使っていない配線は外し、つなぐべきところは直結する。そうすることで仕事のプロセスを標準化し、お客さまと私どもの会社をどうつなぎ、その距離をいかに短くできるかが考えられます。
組織と業務の棚卸しで現場の無駄を徹底排除
(宋) トヨタ自動車の張富士夫社長から聞いた話ですが、トヨタでは複数の人間が現場で相談して決めたことは徹底的にやるそうです。しかも、やっているか、やつていないかは必ず評価につなげる。やっていない社員には「君、家に帰れ」と言うんだそうです。英語にすると「Go
home」ですから、“クビ”に近い。それだけ「やっている」ことを重視している。
(村瀬) うちもトヨタさんに学んでいますが、トヨタという会社は、ごく当たり前のことをごく当たり前にやっておられる。うちは、やって当たり前だと知っていながらやっていない。このやっている、やっていないの違いが結果に出るんです。
(宋) でも、やっている人とやっていない人は見分けにくい。日報を読むと、やっていない人のほうが長い(笑)。営業マンの意識改革はなかなか難しいですよね。
(村瀬) 今、セールス・プロセス・リエンジニアリング(SPR)活動に取り組んでいます。自分たちのやっていることをもう一回棚卸しする。先程話した棚卸しは組織全体の業務プロセスの棚卸しですが、こちらは個人業務の棚卸しです。自分でよかれと思ってやってきたことに対して、「それは何のためにやっているのか」「次のステップはどうなるのか」といろいろと追求していくもので、東京地区の営業部門から始めて全国に拡大し、さらにサービス業務や管理部門、企画部門にも入れて、全社的なSPR活動をやっています。
(宋) いつごろから開始されたんでしょうか。
(村瀬) 二年前からです。それ以前に、そもそも方針の出し方が違っていなかったか、方針が出ていなかったのではないかと振り返ってみると、組織の仕組みが方針に沿って行動するようにできていなくて、究極的には社長にまで行き着く問題も出てきます。
(宋) 棚卸しする前に現状を“はかる”必要があるんです。トヨタの言葉で「測る」というんですが、まず測り、次に棚卸しをやると「日本では社員性善説だから、みんなが反発するぞ」と僕はよく言われますよ。
(村瀬) もちろん、反発は出ますよ。最初はきっかけをつくるために社長命令で「とにかくやれ」と実験的に棚卸しをスタートさせました。そこから出てきたケーススタディを見て、課長や部長たちが「やっぱり、あれはまずいや」と思ってくれたら他部門も前向きにやるだろと。初めは第三者機関にやってもらいました。まず課員や部員の行動を一週間ずっーと追っかける。すると、本来なら課や部や会社の方針にのっとって日々の行動があるわけですが、実際には全く関係ない行動もしている。その後の報告会では、私も含めて、そこまでこきおろされるのかというぐらい頭にくることをレポーターたちから言われます。「上の方針はこうですが、現場の一日の行動、一週かの行動はこうだ」と。反論はしても、「でも、本当でしょう、事実でしょう」と言われる。本当だから余計腹が立つ。最初はこきおろしになっちゃうから抵抗勢力もいっぱいいましたよ。
(宋) それでもやるんだと。
(村瀬) 冷静になってみると、「あれ、やっぱりおかしいな」と思い始める。教室の授業で「意識改革しましょう」とやったってダメなのと同じで、具体的に一つひとつ「なぜ」「なぜ」とやっていくと気がつくんですね。「さあ」というのが出てくる。一般職からも同じような反応が出てきています。
(続く)
■3.宋文洲の日本の長所・短所(連載1)
宋 文洲
(財界2005/1/18 新春特別号より)
長所も短所も入れ替わる
羊と駱駝が同じ庭に生えている植物を食べようとした。駱駝は背が高いお陰で壁越しに木の葉っぱを食べた。羊は背が低いお陰で門をくぐって庭の草を食べた。駱駝は背のせいで草を食べられなかった。羊は背のせいで木の葉っぱを食べられなかった。
長所と短所を論じることは実に難しい。目的と条件と環境によって長所と短所が入れ替わる。「財界」の村田主幹から「日本の長所と短所」のご依頼を受けた時、瞬間的に中国の小学校の教科書に出てきた「羊と駱駝」の寓話を思い出した。
例えば、終身雇用が日本企業の長所として日本人のみならず海外の人々も認めていた。しかし、それには継続的成長とピラミッド的人口構造という条件があった。その条件を失われた今、「終身雇用」は日本の長所でありえない。
日本人はよく自国の欠点として「国のビジョンがない」と語るが、争いが絶えないビジョンの国から羨まれるのも日本である。ビジョンの国は自国民と世界の人々を幸せにしているか。残念ながら世界の人々を苦しめているのは他ならぬ「ビジョン」である。
見る人の主観によっても長所と短所はまるで違ってくる。長所でもないのに長所だと思い込む場合もあれば、その逆の場合もある。文化人達の日中・日米の比較論をいろいろと読んだり聞いたりして来たが、私はほとんど納得できない。
「日本は島国だから日本人は島国根性がある」と日本人も外国人もよく言う。しかし、イギリスもアメリカも島である。「島国根性」と言い張る日本人に島国根性の解釈を聞いたらかえってくる答えは見事にバラバラである。
「日本人は農耕民族だからそんな考え方しない」という日本人も外国人も多い。しかし、古代中国もローマもエジプトも農耕であった。人類史からみた場合、農耕は狩猟の卒業である。日本は狩猟から農耕になったのは決して世界で早い方ではない。それに「農耕民族」と言い張る本人は江戸っ子で自宅ベランダの花に水もやらない男である。「どこかが農耕か」と聞きたくなる。酒場のトークとして使う分はおもしろいが、日進月歩のビジネスの場でいつまでも「島国根性」と「農耕民族」を言い訳に逃げるのはいただけない。
もちろん、どこの国もあるような長所と短所なのに、それを知らずに恰も日本独自の長所と短所として語るケースもある。今後しばらく、ビジネスと経営を中心に日本の長所と短所について考えてみたいと思う。辛口の部分も多いかもしれないが、愛情を持って言わせていただく。しばしお付合いをくださいませ。
(編集部)
■4.「中小企業成長の「鍵」はやっぱり営業だ」〜セミナーのご案内〜
株式会社武蔵野 代表取締役社長 小山 昇 氏から
こんにちは、小山昇です。武蔵野は、2000年度日本経営品質賞を受賞いたしました。わが社の経営改革を支えたツールである「ボイスメール」。私が、「ボイスメール」を中心にITツールをどの様に活用して経営改革を成功させたのか、みなさんにその秘訣をお話しさせていただきます。
(2月10日 東京で開催します(中小企業の経営者の方、限定です)。)
━━━
|
 |
|
|