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メールマガジン バックナンバー 第18号(2005.3.10)

2005.3.10(第18号)

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1.ベネッセ森本昌義社長、CSと成果主義を教えてください(1)
2.宋文洲の日本の長所・短所(連載4)
3.メールマガジン17号に対する「反響・反論・反省」
4.教えてIT社長!コレッて○ですか×ですか?

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■1.ベネッセ森本昌義社長、CSと成果主義を教えてください(1)
(フィナンシャルジャパン2月号より)

営業の根本は商品力と顧客との直接対話にあり

戦略では、利益という短期的な結果ではなく、その結果にいたるプロセスを見ようとします。
プロセスではいろいろな部門と部門が関連しあい、品質やコスト、そして納期といった同時に追求しなければならない要素が関連しあっています。それらが統合されているものがお客さま満足度です。つまりお客さま満足は経営そのものの競争力・市場力を評価する根本的な尺度なのです。(岡本正耿)

ベネッセコーポレーションでは顧客の創造を主たる目的として顧客満足(CS : Customer Satisfaction)に焦点を当てている。
同社は顧客満足のために、「顧客になってくれていない人々」のニーズを掘り起こし、マーケティングプロセスの設計と商品力向上を図る。
それが適正な成果をもたらすのに不可欠な要素だからだ。
ソフトブレーン会長の宋文洲さんが、経営者が行うべき営業プロセスの設計と成果主義のあるべき姿を問う。

営業管理は社長の仕事

(宋) 僕は、日本企業に足りないもののひとつには、経営者の営業管理があると思うんです。営業という字は「業を営む」で、経営そのもので、セールスではないわけですから。森本さんはベネッセの社長になられてから、どのように社内の営業に関する考え方を変えようとされてきたのでしょうか。

(森本) ベネッセの主幹商品は会員制の通信教育「進研ゼミ」で、幼児から高校生まで約400万人の会員がいます。その営業方法は、お子さんが生まれ、1歳になる前からダイレクトメール(DM)で「こどもちゃれんじ」という教材の紹介を始めるというものです。6歳後半になると小学生用、さらに中学生用、高校生用と続きます。それが唯一の営業手法だと思ってやってきたんですね。

(宋) 社長に就任される以前ですよね。

(森本) はい。ところが、進研ゼミの会員数は2000年をピークに減り始めたんです。

(宋) 従来の営業手法が行き詰まった。

(森本) その頃はまだ「行き詰まった」とは認識していませんでした。数ケ月に1回送るDMを2回に増やし、3回にしても会員数は落ち続けたんです。

(宋) 同じパターンのDMで、ただ量を増やそうとしたんですね。

(森本) ええ。それで福武總一郎会長が、「もう思い切って考え方を変えなきゃいかん」と決断し、「それなら別の業界から人を入れたほうがいい」ということで僕が呼ばれたのでしょう。

(宋) 03年6月に社長になられて、06年度を目標年度とする中期目標をおつくりになったわけですね。

(森本) はい。中間目標では、業務の最高執行責任者として、売り上げはさておき、06年度に営業利益260億円の確保をまず約束しました。

(宋) まず営業利益の確保だと。

(森本) 僕が社長就任まもなく発信した「経営方針」は合計37の項目からなっていますが、僕がまず重要だと考えたことは、「意思決定時の価値観と尺度を社員が共有すること」でした。第1の項目として挙げたのは、「最終目標は利益の確保で、売り上げは手段にすぎない」ということです。

(宋) それまでは利益をターゲットとしていなかったんですね。日本では、そういう会社がほとんどですが。

(森本) それまでは当社の売上高や会員数が主な指標でした。そこでさらなる判断基準として、「新規ビジネスについては、コアコンピタンスを明確にし、ビジネスモデルとしての完成度を見極めた上で投資を行う。新規ビジネスヘの進出に当たっては、単月黒字化は2年以内、投資回収は3年以内。ただ初期投資の大きいものについては別途定める」「成功の確率が高い事業には機動的に投資する」という項目を追加したんですね。

(宋) それは厳しい条件ですね。

(森本) もっと厳しいのは、「長期的に利益が見込めず、投資回収が望めないビジネスは遅滞なく収束する」という項目でしょう。

(宋) それは撤退を意味するんですか。

(森本) ええ。実際に4つの事業を就任して1年以内に収束しました。資本、すなわち人・モノ・金の効率をビジネスの尺度にするんだよと。

(宋) 利益ターゲットを実現するためには、不採算事業を整理し、新規事業投資の明確な基準をつくり、資本の効率性を重視したビジネスヘの転換は外せないという判断ですね。

(続く)


■2.宋文洲の日本の長所・短所(連載4)
宋 文洲(財界2005/2/22号より)

「性善説」と「性悪説」は同じである

「私利私欲のためにやったわけではない」と、逮捕された銀行役員が、自分の罪を弁解した。犯罪者の人物評として、よく聞くのが、この「善い人だと思っていたのに、信じられない」というものだ。日本では「善かろうと思ってやったことは善いはず」、「善い人は悪いことをしないはず」という無意識の意識が目立つ。

人事評価についても、似た現象がある。成果主義といいながら、「彼も頑張ったからね」と言って成績の悪い部下を引き上げる管理職がいる。「彼も悪気があってやったことではない」と、会議でミスをした人を庇う先輩がいる。

「善い人である」ことと「善かろうと思う」ことが重要であり、その先にある事実を軽視する傾向があるのだ。

私利私欲がなくても、社会が受けるダメージは同じである。殺人犯が善い人だと言ったら、殺された子供とその親が、よけい救われない。

「悪気がない」といって責任を明確にしない会社は、本当に顧客を大切にしているのだろうか。「善かろう」には社会、被害者、顧客の視点がない。

こんな議論をすると、日本は、「性善説の国だから」と解説する人がいるが、私は同意できない。「性善説」は決して「人は善である」と言っていない。

儒教の『三字経』にある「人之初、性本善」は確かに有名であるが、「初」という字を吟味すれば「人間が生まれた当初は善であるが・・・・・・」と理解できる。言い直せば「放っておけばすぐに悪くなるから、絶えず反省しないといおけない」ということになる。

キリスト教は、「人間は罪を持って生まれる」と言っている。しかし、これは結論ではない。「人間は罪を持って生まれるから、絶えず反省しないといけない」と言っているのだ。

生きている間は、儒教もキリスト教も、同様に「反省」と「懺悔」を促し「善」への帰着を勧めているのである。

「滅点主義」が、なかなか無くならないのはなぜだろうか。それは、ミスと罪と人格を同一視するからである。「善い人はミスや罪を犯さない」、の裏に「ミスや罪を犯した奴は悪い奴だ」という論理が見え隠れする。一度ミスと罪を認めたら大変なことになる。だから必死になって罪を隠す。周りの人もかわいそうだと思って、最後の最後まで曖昧にしておく。

「人事」という言葉の本質は「人」ではなく「事」にある。人事評価の本質は、人の評価ではなく、事の評価にある。

「反省」も「懺悔」も人間否定ではなく、罪の否定である。われわれ人間は、弱く、変わりやすい。英雄、卑怯者、勝者、敗者の間には、僅かな差しかない。属性での評価をやめた時、人事評価と遵法精神は、もっと解りやすくなると思う。

(編集部)


■3.メールマガジン17号に対する「反響・反論・反省」

前回のメールマガジン17号に対して、今回もたくさんのご意見、ご感想ありがとうございました。

中でも、財界(2005/2/8)に掲載された『宋文洲の日本の長所・短所(連載3)』文中の文天祥が残した漢詩「人生自古誰無死、留取丹心照汗青」についての反響が多くありました。

本文の中にも紹介させていただいた東京証券取引所の長友英資常務に今回もご協力いただきました。宋とのメールのやり取りの間に今回の漢詩についてすばらしい解説をいただいたので、ここに紹介させていただきたいと思います。

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日本語の読み方は「人と生まれ、いにしえより、だれか、しなからん(人と生まれ、古より、誰か、死なからん)、たんしんを、とめえて、かんせいを、てらさん(丹心を留めえ(取)て、汗青を照らさん。」だったと思います。
(中略)

小生の知る限り「汗青」の意味は「史書」だと思います。
青竹を焙ると油が出ます。「竹簡」を作るには、そのままに竹を使用するのではなく、先ずは「焙って」耐久性を高めその上から墨で字を書くことが肝要だったとか。

従って、「汗青」とは「竹簡」=「紙」=「史書」のことであると記憶していますが・・・。漢詩のことですから、様々な解釈があるのでしょうね。
「丹心を常に心に留め、歴史書(これも本当の意味の歴史書か、自らの生き様=恥ずかしくない死に方なのか?)に恥ずかしくない記録を残そう」という意味でも、どちらも理解しうるのでは?中国の専門家は如何なる解釈でしょうか?諸説紛々在るのでしょうね。
(中略)

因みに全文を下記に記しますので、大意を考えては如何でしょうか?

辛苦遭逢起一経、干戈落落四周星、山河破砕風抛絮、身世飄揺雨打萍、惶恐灘頭説惶恐、零丁洋裏歎零丁、人生自古誰無死、留取丹心照汗青、

歴史的事実を背景に大意を訳すると、小生としては以下のように解釈します。従って、「汗青」は「史書」のことだと考えますが、「史書」も本来の歴史とするのか、「自分自身の記録」とするかは天祥先生に聞いてみないと分かりませんが、無理でしょうね。

*辛苦の境涯は、自分が経書を学び進士を目指したときからの定めと考えている。四年間にわたり元との戦いに明け暮れてきたが、思うようにならなかった。山河は打ち砕かれ、風が柳絮を弄ぶほどに荒れ果ててしまった。人の世は揺れ動いて、恰も雨が浮き草を打っているように無情なものだ。江西の河の難所、惶恐灘のほとりで皇帝陛下の詔を恐れかしこんで受けたのだが、今は、ここ零丁洋では独りうらびれた身を嘆こうとは・・・・とは言え、人生は必ず死を迎えるものであることは事実。そうであれば、生きている限り「丹心」を守り続け、歴史に名を残そう。*

(終わり)
(編集部)


■4.教えてIT社長!コレッて○(マル)ですか×(バツ)ですか?

BIG tomorrow 4月号に掲載された「いま、日本をリードするIT社長4人の発想術からマネー術までその驚きの頭の中身」に宋が登場いたしました。
BIG tomorrow様に承諾を頂き、○×企画の宋のコメントを紹介させていただきたいと思います。
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球団経営、IT業界、直感、マニュアル、貯蓄・・・
「教えてIT社長!コレッて○ですか×ですか?」

Q1 世の中、お金で買えないものはない?

A1 ×(バツ)1万個です。外国人が聞いたら怒りますよ!
「(それまでの笑顔が一転)こんなもの×に決まっているでしょう!誰がいったの?
何でもお金で買えるなんて本気で考えているなら、それは苦労してない証拠ですよ。この幸せな国・ニッポンに生まれ、なに不自由なく育ってきたからいえること。コレ、ちゃんと書いてくださいね。×1万個です!」

Q2 IT業界でも人脈って必要?

A2 日本流の古い“人脈”はいらない。“人間脈”ならOK
「一般にいわれている“人脈”の正体は、肩書きに人が寄ってくる“経営脈”、お金に人が寄ってくる“金銭脈”。損得が背景にあるつき合いですから、肩書きやお金を失った瞬間、パーツと誰もいなくなってしまう。こういう古い人脈なら必要ないと思います。肩書きやお金とは離れて、一人の人間としてつき合っていける関係が本当の人脈、つまり“人間脈”。この関係を築くには、自分がどんな人間で何をしたいのか、はっきり主張する必要がある。すると同じ価値観を持つ人が集まり、やがて友が生まれ、強固な人間脈になっていく。「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、とても深い意味があると思いますね」

Q3 いま起業、転職するならIT業界がおすすめ?

A3 いまがピークの業界を選んだら失速するよ!
「IT業界が×というわけじゃなく、どういう理由で選ぶかが大切でしょう。やりたいことがはっきりしていて、それを実現できるのがIT関連の企業なら、止める理由はありません。でも、ITは将来性がありそうだし、働いている人も若いから伸び伸び仕事ができそう。そんな理由で選ぶのなら×です。いまはいいかもしれない。でも、30年後を考えるとITはすっかりインフラの一つになって、ビジネスとしての魅力はなくなているはずですよ。ITに限ったことではないですが、東大生が多い会社は将来性がないと私は思います。彼らはそのとき一番流行っている業界に行くだけで、先のビジョンなんてないから。いまがピークの業界に入るのは賢いとはいえませんね。これから伸びそうな業界を選んだ人が、将来の勝ち組です」

Q4 球団経営はやってみたい?

A4 「お金がないからやらない。たとえお金があってもやらない。理由は2つあって、まず僕に野球がわからないこと。それに、ソフトブレーンはBtoCではなくBtoB。ビジネス上のメリットがないから、考えたこともありません」

(終わり)
(編集部)

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