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メールマガジン バックナンバー 第189号(2011.12.22)
2011.12.22(第189号)
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1.激変を抱擁して(論長論短 No.156)
2.ライフネット生命保険代表取締役副社長 岩瀬大輔さん
連載コラム(第2回)
甘えの構造
3.宋TV出演のお知らせ
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■1.論長論短 No.155
激変を抱擁して
宋 文洲
やっとリーマンショックの苦痛から脱出し、緩やかな景気回復を想定していた時にあの日は突然やってきました。
上海空港の滑走路から今にも飛び立とうとする機内から突然、「本便は駐機場に戻ります」とアナウンスが流れ、そして後ろから「東京に大地震が・・・」との呟きが聞こえてきました・・・。今年を思い出そうとするとどうしてもこの日が先に出てくるのです。
しかし、日本にショックを与えたのは地震ではなく、津波であり、メルトダウンであり、そして東電や国家の危機管理の甘さでした。
国内生産のリスクを分散しようと、中国のリスクを分散しようと、日系メーカーが挙ってタイに生産をシフトしましたが、そこに未曾有の大洪水がやってきてその被害は3・11よりも大きくなりました。
リーマンショックの時、世界中がドルを嫌ってユーロに飛び付きました。ブラジル出身のスーパーモデルがドルを拒否しユーロで報酬を受け取りました。世界中がユーロに退避したところに、やってきたのは今年のユーロ危機でした。
ユーロはなくならないとしてもこれまでのユーロはもうこの星に存在しません。
BRICsはどこに行ってしまったのでしょうか。先月、不動産業の知人が突然電話をかけてきて「3%の利息で運転資金を貸してもらえないか」というが、よくよく聞くと3%は年間ではなく、月間の利息でした。北京郊外に本社を構える中国のジュース最大手を訪ねると3月に8千人居た営業マンを3千人までにリストラしたとCEOが言います。
9年間で10万人のイラク国民の命を奪い、8千億ドルの税金を費やしたイラク戦争。撤退でアメリカは反省したかと思えば、地球を何回も破壊できる原爆を持ちながら中東を何回も破壊できる原爆を持つイスラエルとイランに戦争を仕掛けるのです。「核疑惑」という理由で。
イランへの本格攻撃は間一髪で踏み止まり、無人機が失われたくらいで済んだのは世界の幸いでしたが、その米国も来年政権交代します。中国もロシアも政権が交代し、それぞれ国内に大きな不安と困難を抱えます。
以上の文章は3日前までに書いたものですが、そこに飛び込んできたのは北朝鮮金正日の突然な死去でした。北朝鮮までも政権交代するとは思いもよりませんでした。
高校生も携帯電話を持ち始めた北朝鮮では、三代も続く世襲が成功するとは思いません。すぐではないと思いますが、大きな変化がやってくるに違いありません。長い歴史を考察すると気付きますが、東アジアの動乱はいつも朝鮮半島から始まったのです。
暗い話ばかりを書きましたが、気分を持ちなおそうと窓を見たら大きなクリスマスツリーが見えました。仲よさそうな男女が寄り添うように窓際に座っています。世の中はどんな激動になっても、われわれ一人一人の生活は静かに続くものです。
国が強くなったり弱くなったり、景気が良くなったり悪くなったり、収入が増えたり減ったり・・・良くも悪くも変化は必ず起きるものです。冬眠で冬をやり過ごす動物もいれば雪をかきわけてその下の草で食い繋ぐ動物もいます。しかし、生きていれば必ず春を迎えることができます。
年末の今、せっかく今年世界最大の不幸を乗り越えた皆さんは来年への心配よりも、来るクリスマスや新年をゆっくり楽しく過ごしていただきたいと思います。幸せな人生とは人生に幸せな時間が多いことです。少しでもその幸せな時間の欠片が増えるように、私も努力したいと思います。
皆さま、今年は、いえ、今年も大変お世話になりました。
来年も「宋メール」をよろしくお願い申し上げます。
良いお年を。
(終わり)
今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://www.soubunshu.com/article/241707909.html
宋のTwitterはこちら↓
http://twitter.com/sohbunshu
■2.ライフネット生命保険代表取締役副社長 岩瀬大輔さん
連載コラム(第2回)
甘えの構造
岩瀬大輔
3月11日の東日本大震災を契機として、この国が大きく変わることが期待された。
しかし、実際には、ほとんどのことは変わっていない。特に、日本経済が抱える構造的な課題は、3月10日から何ひとつ変わっていない。
そして、それらの構造的な課題を克服するために必要なすべての施策について、「いやだ」と反対を続ける日本人のメンタリティも変わっていない。
40兆円しか税収がないのに90兆円も使い続けたら辻褄が合わないことは小学生でも分かるはずだが、収入を増やそうと増税を提案しても「財務省の陰謀」「先に削るべき無駄があるはずだ」と反対する人たちが多くいる。
収入が増えないなら支出を減らすしかないのだが、もっとも大きな支出である年金を減らそうとすると、高齢者が反対する。
次に大きな支出である医療費について、保険料を上げるか、自己負担を増やそうとしても、同様に「姥捨て山」と反対されるので、実行できない。
ならば医療コストを合理化しようと、レセプトの電子化や、医療データの開示を迫ってみても、(無駄な投薬や検査を指摘されかねない)医師や歯科医師が猛反対する。
支出を減らせないので、やっぱり増税できないかと考え「まずは公務員が身を削れ」という主張を実現しようと思っても、労働組合が反対するから人員削減も給与カットもできない。
それなら上げ潮路線で行くしかないので、企業に頑張って稼いでもらおうと競争力を高めるための減税や、雇用コストの引き下げを提案しても「大企業優遇」と労働組合とマスコミが反対するので実行できない。
企業経営に緊張感を持ってもらうべく市場を通じた経営監視機能を高めようとすると、今度は大企業経営者が猛反対する。結果、皆がジリジリ沈んでいく。
「企業の競争力強化」がまっとうな政策として取れないのは、日本くらいではないか。
ならば莫大な金融資産を活用し、投資で稼いでいこう。そう考えて、資本市場で投資ファンドが活躍し出すと「汗をかかないでお金を稼ぐのはけしからん」という風に検察も裁判官も反対するので、投資家が日本の資本市場から去っていった。
新しい産業を創ろうとちょっと尖った生意気な起業家が出てきたものの、本当に社会を変革しうる影響力を持ち始めたらメディアに猛反発を受け、司法の助けも借りて投獄されてしまった。
農業や医療・介護といった分野で規制の見直しをすることで新産業を育成しようとしても、業界が反対するので、実行できない。しょうがないので、政府の成長戦略と称して「グリーン・イノベーション」やら「ライフ・イノベーション」やら、誰も反対し得ない空虚な言葉を掲げ、お茶を濁す。
少子化で人口が減って行くのが困るので移民を促進しようとしても、外国人で看護師試験に合格したのは254名中3名。合格率を司法試験よりも低くすることで、導入を事実上拒む。
結局、国民全員がいやいや駄々をこね続けるので、今は文句を言えない子供たちに負担を押し付けることになる。
この国を変えるのは、容易ではない。官僚が悪いとか、デフレが悪いとか、日銀が悪いとか、スケープゴートを見つけてきて、その一つを直せばいいようなことではない。
国民が聞きたくない真実をつきつけ、正しい方向に導くことが、政治家、メディアの責任ではないか。そういう政治家、メディアを支持するのが、国民の責任ではないか。
私たちは、ひとつひとつ、自分ができる小さなことから変えていくしかない。
(終わり)
■3.宋TV出演のお知らせ
(1)NHK総合「仕事ハッケン伝 新春スペシャル」
2012年1月4日(水)19:30〜20:43
(2)フジテレビ「なかよしTVスペシャル」
2012年1月17日(火)19:00〜20:54
お時間が許せば是非ご覧ください!
(終わり)
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