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メールマガジン バックナンバー 第3号(2004.4.19)

2004.4.19(第3号)

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効率化の最後の聖域へ

1.宋文洲寄稿「差がエネルギーを生む」
2.トヨタ方式を作り上げた近藤哲夫氏が説く「永続的改善・改革のすすめ」(上)
3.トヨタ方式がホワイトカラーに導入される日
4.1メーターの深淵
5.編集部にいただいた貴重なご意見の紹介
6.テレビ東京が特集:「営業を変えろ!」(4月21日水曜日)
(※放送は予定通り行われました)
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■1.差がエネルギーを生む
宋 文洲
日本の社会では「差」はあまり好まれない。「差」といえば、「差別」と「不平等」を連想してしまう。

制服と給食で衣食の「差」をなくしたうえ、走る能力の差をなくすために、徒競走のスタートラインをずらす小学校があるほどである。

ところで、貴方が今ご覧になっているパソコンの画面はなぜ明るいのだろう。
それは電流が流れているからである。ではなぜ電流が流れるのだろう。
それは電圧、つまり電位の差があるからである。「差」がエネルギーを生む。

川はなぜ流れるのだろう。それは高低の差があるからである。風はなぜ吹くのだろうか。それは気圧の差があるからである。利益はなぜ出るのだろうか。それは売上とコストの間に差があるからである。

「差」はハングリー精神を育てる。成功者と一般人の間に差があるから一般人は意欲を持ち、社会が活性化する。今の若者を「ハングリー精神が足りない」と批判する人は、ハングリーの本質を理解していない。

ある平凡なお父さんは、1カ月分の自分の小遣いを貯めて子どもを一流ホテルのレストランに連れて行く。そして子どもに「毎日ここに泊まり、ここの食事に飽きている人がいるよ」とわざと教える。

「差」を見せることで、その子のハングリー精神を育てる。これは私の知人が実践していることである。

「差」はDifferenceである。「差」は人生の価値ではなく、人生の多様性を表現するものである。本当に個性を育てたいならば、あらゆる差を前向きに認めることが必要だ。

100メートル競走に負けた子どもは人生の価値を見失うのではなく、音楽に才能を見出せばよい。音楽で負けたら画の才能で勝者になろう。

「差」はマネージメントの源泉である。全員優秀な組織は、全員優秀ではない組織と同様に、パフォーマンスが悪い。社員の個人能力ばかりを求める組織にはマネージメントがない。だから優秀な人間が多すぎる会社では利益が出難い。

様々な能力を持つ社員をその都度、最良なプロセスに配分し、プロセスをマネージメントすることで、売上とコストの間に「差」を作る。これが利益の出る経営である。

我々の命も生と死の間の「差」である。生のない世界にも死のない世界にも命はない。


■2.トヨタ方式を作り上げた近藤哲夫氏が説く「永続的改善・改革のすすめ」(上)
ケーズエンジニアリング代表取締役 近藤哲夫氏

毎日、改善する

私は、トヨタ生産方式の「生みの親」である大野耐一(元・旧トヨタ自動車工業副社長)さんと大野さんの「直弟子」である鈴村喜久男(元・旧トヨタ自工生産調査部長)さんの2人から指導を受けた。

「毎日、改善する」ということは、この30数年間の自分の基礎となっている。

私が習ったのは実は、二つ。一つ目は白紙でモノを考える、ということ。二つ目はマーケットをみたモノ造りをする、ということ。大野さんは、「トヨタは一度潰れた。だから、潰れないようにするためには、マーケットを見てやることだ」と、断言していた。

今でこそお客様を満足させる、CS(顧客満足度)が大事だと言われているが、当時、そのようなことを言う人はいなくて、周囲からはおかしな集団だと言われていた。

難しい、できません、は禁句

色々な会社に行くと「うちは、トヨタと違うから難しくてできない」という声を聞く。私は、「そうですか、それで何をされましたか」と尋ねると、「何をやっていいかわからないから、何もやっていない」と答える課長や部長にこの様な発言が以外と多い。やってもいないのに、なぜ難しいと言えるのか。

大野さんは、「難しい」といった途端に、「よく先のことがわかるな。それなら、辞めて易者になれ」という人だった。「難しい」、「できません」は禁句で、「できません」を許す師匠ではなかった。

当時、大野さんからコストを1台当たり60万円下げろと言われた。考え抜いて大野さんに話すと、「考え方が足りない、もう一度考えてこい」と言われた。「お前できないのか」と言われたりもしたが、「できない」と答えたらそこで終わりになる。

考えては、大野さんに話し、もう一度考える、という状態が2カ月間繰り返された。後から分かったことだが、大野さんはこのとき、最初から答えを持っていて、そのうえで、私に考えさせていたのだ。非常に厳しかったけど、師匠としては素晴らしかった。

部下に考え方を体得してもらうには、すぐに答えを言わないことが大事だ。
(次号に続く)

(本文は3月19日当社セミナー要約)

次号の内容は

・体質改善と体形改善
・21世紀型の改善とは
・21世紀型改善のための体制づくりとは

です。


■3.トヨタ方式がホワイトカラーに導入される日

宋文洲がトヨタ自動車の吉田常務と会い、別れようとした時のこと。「具体的に決めよう。でないと今使った30分間は意味がない」といつものようにさり気なく仰ったそうだ。

このことは宋がトヨタ方式を体で感じた瞬間だった。常にプロセスと結果の因果関係を測り(測る化)、検証したうえ(見える化)、改善(カイゼン)を繰り返すことにトヨタ方式の真髄がある。

「労働人口の8割を占めるホワイトカラーにカイゼンを定着させれば企業は21世紀を制する」
(編集部)


■4.1メーターの深淵

KFi株式会社の木村剛さんと宋文洲が雑談し、話題が「日本の中間管理職が変化を嫌う」ところに移ったとき、木村さんが「1メーターの深淵」の話しをしてくれたそうだ。

幅と深さが1メーターの溝なら、誰でも飛び越えられる。しかし、その溝の深さが1万メーターだと聞いた瞬間、多くの人間が足を止める。飛び越えたらオアシスなのに「落ちたら・・・」と考え込んで砂漠に残る。

結果を考えすぎて行動しなくなる「完璧症」が多くの企業と個人から明るい未来を奪ってしまう。結果に至るまでのプロセスをマネージメントすればリスクは思うほどないのに。

(編集部)


■5.編集部にいただいた貴重なご意見の紹介

―― 業務改革と情報リテラシーの両輪で ――
日本アイ・ビー・エム株式会社 香川昭彦さま

私もホワイトカラーの生産性には興味があり、いろいろな方のお話をうかがって参考にさせていただいております。

IBMの流通事業担当部門ではDynamic Workplaces(最近はon Demand WPsと名称変更)として推進していますが、Product outではなく業務改革と情報リテラシー(IT機器操作能力ではなく)の両輪で考えています。


―― 「決断」こそトップに課せられた最大の使命 ――
セルフ店研株式会社 山川一成さま

今回初めて返事メールを出すのは大変、感動した言葉があったからです。宋文洲氏の「決断」の中身を紹介されていますが、「決断」の大切さ、重要さを日ごろ痛感しているからです。

夏王朝の禹は民のことを考え、王朝の存続に対し自分の後継者に血族でなく、家臣から選んだと「宮城谷 昌光」の本で読んだ記憶があります。「決断」こそトップに課せられた最大の使命であると自分でも思っています。

私は一年ほど前まで、役員は57才で退任したものの、引き続き職責上の重要なポジションを担当し、様々の「決断」を求められました。

以後第一線を退き、今年2月29日に44年間の勤務にやっと区切りをつけ、現在は再雇用の形で、新規業態立ち上げのための、開発担当として働いている63才のサラリーマンです。

あなたの「古参の重臣に自分がなっていないか?」という一文はズシリときました。反省しきりです。今後は後輩育成に余生を費やしたいと強く思った次第。いい言葉をありがとう。


■6.テレビ東京が特集:「営業を変えろ!」(4月21日水曜日)

4月21日水曜日の「ワールドビジネスサテライト」では「営業を変えろ!」という特集が予定されております。当社と当社の顧客を中心に組まれた特集ですのでテレビの前にいらっしゃいましたら、ご覧下さい。(※放送は予定通り行われました)

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