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メールマガジン バックナンバー 第39号(2005.1.27)

2006.01.27(第39号)

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1.昨日、福田 康夫さんから聞いたお話〜ライブドアショックについて〜
2.再論:数字の神話と数字の虚無(論長論短 No.6)
3.昭和シェル石油 新美会長に聞く、リーダーシップって何ですか?
「常勝のリーダー」はどこにもいない(連載3)

4.「反響・反論・反省」
5.今週の「Newsweek」に掲載された宋のコメント

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■1.昨日、福田 康夫さんから聞いたお話
〜ライブドアショックについて〜
宋 文洲メモから

・今の世の中は謙虚さが足りません。自分の力を過信すると謙虚ではなくなります。

・このようになったのは以前から兆候がありましたので総理の責任だと思いませんが、総理大臣が発する言葉でその社会の空気が変わります。

・クールビズはホリエモンの格好です。総理に言わせればあれは環境への配慮と言いますが、ものは言いようです。やっぱり人と会うときはきちんとした方がいい。これも謙虚さの表現で日本人の美徳です。私は小池さんにも言いましたが、環境に配慮するならば、皆が冷房の温度を上げるように呼びかけるべきです。

注:以上の話は昨日の、ある朝食会で伺った福田康夫さんのお話。録音しておりませんのでメモに基づき抜粋しました。ご本人の確認を頂いておりません。

(終わり)


■2.論長論短(No.6)

再論:数字の神話と数字の虚無
宋 文洲

私は堀江さんと同じく2000年にマザーズに会社を上場させました。まだ十数社しかない時代でしたのでマスコミの注目の的になりました。堀江さんは当時から目立ちました。彼はまず株を売った金で競走馬を三頭買ったことで話題になり、次にマスコミに早く売上を1兆円にすると吹聴したことで話題になりました。

彼ほどではありませんが、私のところにも取材に来られるマスコミの方々がおられました。「宋さんはどのような経営者でどのような経営をしたいか」との質問に対して私は「赤字のうちに競走馬を買うような経営者ではありません。一兆円を吹聴する前にまず100億円を現実にしたいと思います。」と言いました。このコメントはそのまま雑誌に掲載されました。

雑誌発行から数日後に堀江さんと共通の知人から堀江さんの怒りの伝言をいただきました。ポケットマネーで買った馬だからお前さんに文句を言われる筋合いはないというような内容でした。

その後、ライブドアは黒字化し、売上も急増しました。あまり納得いかない買収手法を使ったとはいえ、合法的に利益を出した彼に対し、馬の趣味と一兆円の志を批判すべきではなかったと反省しておりました。

その矢先に先週のライブドアショック。正直言って、第一報を聞いた瞬間、「やっぱりか」と思いました。その証拠に私は昨年11月に皆様に発行した「数字の神話と数字の虚無」があります。そこでベンチャー企業の一兆円ホラー、粉飾決算による数字の神話を批判しました。数字の神話は作られるもの、作った人は必ず数字の虚無を噛み締めるだろうと、まるで現在の事件を予見するような段落で文章を締めくくりました。

私はお客様のマネージャー層に意識改革を訴える際、よく結果主義を見直すようにお願いしております。なぜならば「結果がすべて」、「売れてなんぼ」などの結果主義が横行している会社はだいたいよい会社ではないと、1000社以上の経営現場をみてから統計的な確信を持ちました。堀江さんの著書「稼ぐが勝ち」は結果主義を主張しています。昔の某有名経営者も「勝てば官軍」という本を売り出して亡くなるまでの持論としました。その彼の店は今苦戦し、その彼の経営思想に影響を受けたり共鳴したりする経営者は残念ながら堀江さんだけではありません。

「結果がほしい」、「稼ぎたい」、「勝ちたい」。こんな願望は人間誰にもあります。言われるまでもないことです。正常な人が聞きたいのはどのように正しく結果を出し、正しく稼ぎ、正しく勝つかです。そんな誰でも持っている願望を敢えてまだ誰も気付いていない真理のようにもっともらしく言いまわることには多分、別の次のような本音を吐露したかったからでしょう。

「結果さえ出せばそのプロセスはどうでもよい」
「稼ぎさえすれば、少々法律に触れても構わない」
「勝てるならば、モラルもルールもどうでもよい」

(終わり)


■3.昭和シェル石油 新美会長に聞く、リーダーシップって何ですか?
「常勝のリーダー」はどこにもいない(連載3)

昭和シェル石油 新美春之会長

経営者が何を目指すかでマネージャーの人選も変わる

<宋> そういえば、以前お会いしたある社長は三人の次期社長候補を用意していましたね。退任したときの状況で三人のうちの誰かにすると言っていました。

<新美> マネージャーで言うと、会社が今から、たとえば五年間で何を達成する必要があるかを考えながら選ばないといけないと思うんです。

マネージャー候補をコロコロ変えてはいけないが、ニーズがそのつど変わるので、どういうことを達成すればマネージャーとして認知されるかを徹底しておかないといけないでしょう。

<宋> それは経営者の仕事ですね。経営者は何を目指すか絵を描けないと、それに必要なマネージャーも決まらないということですね。

<新美> そのとおりです。私は確か入社三年目の1963年ぐらいに、今で言うマネージャーになったんです。

そのとき入ってきた若い社員に「人間の能力は基本的には違いはない。意欲の違いはあるけど能力の違いはないから、みな同じ潜在的な可能性を持っている」と話したんです。するとその若い社員が、「いや、人間は利口とバカの二種類です」と言うんです。それで大分議論したり、ずっと考えていました。

今でも「同じ」という確信はありますが、若い人が言ったことも長い経験を経てまんざら違っていなかったと思うようになりました。これが宋さんがおっしゃった基本的な素質ですね。

<宋> 先ほど、戦時のリーダーの話がありましたが、いろんな環境をひっくるめると、人間は平等かなと思うんです。でもビジネスがすべてではありません。その断面において適性か適性ではないかがあります。人間としての問題はないが、今の仕事に向いていないから他の会社、他の部署に移ったらどうかと思っても、マネージャーはそう口にして言えません。

<新美> そのほうが結果的には親切なんですが。

<宋> ところが、日本は非常に人材の流動性が低い国ですよね。だから、速く走る馬を揃えたくとも、組織の中には力仕事に向く牛がいっぱいいる場合、会社は牛に「馬になれ」と言うんですね。「いや、僕は牛なんです」と言っても、「大丈夫、頑張ればうま(馬)くなれるんだ」と(笑)。

本当は自分の部署で使ってはいけないのに、マネージャーは一生懸命教育する。
本人もありがたくないし、お客さんも迷惑です。

<新美> 組織の性格にもよると思うんです。コンサルタント会社のように非常に早い動き、早い考え方、即応力が要求されるところもあるでしょうが、昭和シェルは多くのお客さまに接する会社で、ニーズに合った体制をつくるには速く走る人たちだけではダメです。組織の性格に合わせた人材をそろえることも大切です。

(続く)
(フィナンシャルジャパン7月号より)


■4.「反響・反論・反省」

メルマガ38号には、沢山のご意見ご感想頂きありがとうございます。
いくつかご紹介させていただきます。

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(1)橋本様(仮名)からのご質問をいただきました。
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ソフトブレーン株式会社宋様
ソフトブレーンメールマガジン編集部殿

いつも大変ためになる記事を送っていただき、ありがとうございます。

今回(38号)の『3.昭和シェル石油 新美会長に聞く、リーダーシップって何ですか? 「常勝のリーダー」はどこにもいない(連載2)』にも触れられていたのですが、「結果に責任を持つ、リスクの責任を取る」ということは具体的にはどういうことでしょうか。

ニュースでは、責任を取る、といって経営陣が辞任や辞職となるケースが多くみられます。宋様がおっしゃっている「結果に責任を持つ、リスクの責任を取る」ということは、辞任することではないような気はしておりますが・・・。

機会がございましたら、「結果に責任を持つ、リスクの責任を取る」ということの具体的な例にも触れていただければ幸いです。

以上

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宋からのご返答です。
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橋本さん、

宋 文洲です。
いつもメルマガをご愛読いただき感謝しております。

おっしゃる通り、「責任を取る」といって経営陣が辞任することは決して「責任を取る」ことにならないと思います。結果の改善に何の貢献もせず、ただ投げ出す人がなぜ「責任を取る」と言えるでしょうか。

多くの人は「責任を取る」ことはつまり「辞職する」ことだと無条件に思ってしまうところに問題があります。これはリーダーだけの問題ではなく、我々一般人の問題でもあります。

責任の第一要素は良い結果を出すこと。第二要素は悪い結果を避けること。第三要素は悪い結果が出た場合、全力でそれを挽回すること。第四要素は自分も悪い結果の一部を引き受けること。

辞めることはどれもせず去っていくのみです。リーダーは神様ではないのでいつも第一と第二を保証するわけも行きません。しかし、第三と第四は誰でもできることです。

辞任することで充分に悪い結果を引き受けたと考える人も居るでしょうが、これは明らかに誤解です。この誤解は「リーダーは責任とリスクのある職務ではなく名誉と利益のみがある職務である」ことに基づくものです。低い立場から努力と苦労を積上げてきたご褒美としてリーダーになった方の心理を反映しています。

しかし、リーダーはこれまで何かをしてきたことへのご褒美ではありません。
リーダーはこれから何かをするためのツールです。

ついつい論客になってしまいそうですが、あくまでも個人的見解として。
ありがとうございました。

宋 文洲

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(2)ご意見を頂きました。
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トリンプの吉越浩一郎社長の話はとても明確で楽しく拝見させていただきました。メルマガにあるように物事が進まない原因の一番は問題の報告がないことだと痛感しています。社員の中で誰一人として問題解決したくない、他の社員の足を引っ張ろうなどと考えている人はいないと思います。

それではなぜ問題が解決しないのか?それは指摘にありますように当事者がやる気はあるのですが判断できずに抱え込んでしまい問題が報告されないということです。何事も情報を発信しないことには反応はなく悩み続けるだけで問題は解決しません。

トリンプではそのような問題が報告できる場を毎朝作っていることと社長の方針の徹底がうまくいっているように感じました。このメルマガを参考にして弊社でも早速報告できる場をつくって取り組んでみることにします。

(終わり)


■5.今週の「Newsweek」に掲載された宋のコメント

「ライブドアだけが悪いのか」というタイトルで堀江さんが貢献した部分もある、ということを紹介した後に反対意見として宋 文洲のコメントを以下のように紹介しています(23頁)。

「・・・。一方で、型破りな行動が制度改革を促したとする評価に異を唱える向きもある。中国出身で、ライブドアと同じ00年に東証マザーズに上場したソフトブレーンの宋 文洲会長は『経営者にモラルがなければ資本主義は成り立たない』という。『改革は彼のおかげだというのは、泥棒のおかげで警察がよくなったというのと同じだ』。・・・」

(編集部)

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