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メールマガジン バックナンバー 第4号(2004.5.26)

2004.5.26(第4号)

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1.宋文洲の取材レポート「パワードコム 中根滋氏」(1)
2.松下電工創研 田丸孝氏からのお手紙
「顧客の要請に『プロセスマネジメント』で応える時代」

3.トヨタ方式を作り上げた近藤哲夫氏が説く「永続的改善・改革のすすめ」(下)
4.編集部にいただいた貴重なご意見の紹介
5.編集部からのお勧め

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■1.取材レポート「株式会社パワードコム 中根滋氏」(1)
宋 文洲

【中根滋(なかね しげる)氏プロフィール】
日本IBM、SAPジャパン代表取締役社長、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント、i2テクノロジーズ・ジャパン代表取締役会長などを経て、今年4月1日より、株式会社パワードコム顧問、6月に同社社長に就任予定。

グローバルな経営経験を総括した経営論が本質に迫る。


勝率を上げるには基本が一番

学校では基本は当たり前。ビジネスでは基本が難しい。基本を実行しようとすると山のように立ちはだかる基本の厳しさと戦わなくてはならない。

学校では一つの方程式に答えが一つである。正しい解き方は必ず存在する。しかし、ビジネスの世界では、「売上−利益=コスト」という一つの方程式には百万通りの解き方があって、どの解き方であっても利益を最大化し、お客を最もHAPPYにした人が勝つ。

55才に至ってつくづく思うに、勝率を上げるのに一番有効な方法は基本に忠実であることだと思う。

「お客のニーズのない物・者・事はだめ」「お客に喜ばれる物・者・事がよい物」「売れない物・者・事を無理に売っても長続きしない」・・・・・・こんな具合に。

営業はセールスではない

日本語の営業は「業を営む」ことを意味し、セールス、販売員とは異なる。若いころの私は営業の基本を、「IBMマーケティング・レプレゼンタティブ」という考え方で学んだ。

「会社のビジネスを代表するのは君だ」と言うわけだ。だからセールス・レップではなくマーケティング・レップなのだ。つまりセールスではなく営業だ。

SAP時代に私は、「営業はセールスではなく、クロージングとアカウントマネージメントだ」と説明し、SAP営業部隊の強化を実現した。皆会社の代表として張り切ってくれた。SAP成長の原動力となってくれた。

デルはなぜあれほど速いビジネス・プロセスモデルを確立できたか。それは人種、イデオロギーなどを乗り越えた明確なビジネスプロセスがあるからである。

できる営業つまり最も人に管理されたくない人である営業社員に一人相撲をさせないために、会社としての標準プロセスが完備し、はっきりしている必要がある。

そして、その標準プロセスは顧客のメリットを中心に定義されている。社員の属人性に任せるのではなく、企業と社員の真中に顧客価値を保証する仕組みをおくべきである。

これが私の言う「超顧客主義経営」の基本です。
(次号に続く)


■2.株式会社松下電工創研 田丸孝氏からのお手紙

顧客の要請に『プロセスマネジメント』で応える時代」
田丸 孝

顧客が、情報をいっぱい知って充実され、情報受信者から発信者に変身され、企業が、ビジネスコストを最小化するSCMや、顧客価値を最大化するCRMを駆使できる大きな下地は、ご存知のように「ITネットワークの進化」がもたらした恩恵でもあり、地球始まって以来の「超コミュニケーション社会」の到来に見えますが、それに背中を押されたように成熟化時代のセオリーでもある「顧客視点・顧客対応への変革」を、ますます求められていると日頃感じておりました。

セミナーのときに会場から出た、「成果に与える影響は、仕組みやマネジメントで人を動かすという、面倒なことよりも、その人の本来の質の影響のほうが、大きいのではないか?その証拠に、ベテランから若手に代わったのに、成果は大きくなった自己体験がある」とのご質問に関連して、セミナー終了後、宋会長様に直接申し上げたのは、あるハウスメーカーさんの「お客様が設計者で、企業はそれを実現する支援者である」とのポリシーから生まれた顧客対応型体験住宅の例でも、「ベテランは、家のノウハウを知っているからすぐ説得に入り嫌われるが、若手はあまり知らないから、奥様のお話を一生懸命聞いて知って、一緒に考える。

だから好評で、受注率も高く、顧客が納得して頂けるので、事後の苦情も格段に少ない」と10年越しの交流の中で教えられたことをお伝えしたまでです。

「顧客のニーズをすべて織り込んで、我々はつくっている。だからつくったものを売っている」との自信に溢れたご意見も尊敬できます。しかし、私のつたない経験でも、そう思っているのは企業のほうで、「お客様の思いや知恵もどんどん進化するから、現実はそうはなっていない。最終の設計者は供給者ではなく、お客様なのだからと考えたほうがいいのでは」、とつい思った次第です。

「つくったものを売る、できることをやる」の供給者視点から、「顧客に求められることをやる、できなかったことをやる」の顧客対応の仕事で貢献するためには、

「顧客と共創で顧客価値を生み出す戦略」としての顧客視点の「マーケティングやビジネスモデルづくりを進めざるを得ない状況」にすでに入ってしまっています。

お話を頂いた通り「こういうときには、こういう情報をとりましょう」という流れのシナリオである、「戦略的顧客情報対応」をチーム活動で行うことが当然のように要求され、その「対応スピードと前向き活用のしくみ」を自然に前進させる「プロセスマネジメント」機能は、今や不可欠の要素になってしまっている企業環境だと再認識をさせられました。

顧客から「21世紀に走れるクルマを一緒につくろう」と言われているのに、それを受けとめるエンジンなくしてどうやって走らせるのですか?

思い込みのエンジンと行く先と精神力だけで走ろうとなさるのですか?そんなクルマには、お客様は、興味もなく乗って頂けないですよ。

20世紀は、モノづくりのQC活動が企業体質の優劣にも影響を与えたとすれば、21世紀のQCストーリーは、顧客の要請に応えるためのホワイトカラーの「プロセスマネジメント」ですよ!と、そんな時代メッセージを頂いた気分で、勇気百倍、帰路に着きました。(了)

※編集部注:文中にある「セミナー」とは、5月14日に開催した当社大阪セミナーのことを表します。

■3.トヨタ方式を作り上げた近藤哲夫氏が説く「永続的改善・改革のすすめ」(下)
ケーズエンジニアリング代表取締役 近藤哲夫氏

体質改善と体形改善

会社の改善方法は二つある。一つは、体質を変える、「漢方薬的体質改善」。これは教育訓練と日々の改善で、日本の会社に多い。もう一つは体形を変える、「西洋医学的体形改善」。これは、ショック療法。一過性の、リストラや工場売却などがそうで、アメリカに多い。

体質改善にするか、体形改善にするか、どちらにするかはその会社次第。私は、「西洋医学的体形改善」を悪いとは言わないが、必ずリバウンドがくると思う。

新聞でよく名経営者と取り上げられている人は、首切りの人が多い。1人を首切ると首切りと言われるが、2万人を首切ると名経営者、というのは、いい時代なのか。首切りが褒められる社会はあまり感心できないのではないか。

21世紀型の改善とは

21世紀型の改善とは、一つ目が、「毎日改善を行う」こと。他社の真似ではなく、自社の風土に合った思想と方策を、深化させていく。改善は会社を成長させていく手段であり、毎日改善して、毎日会社を成長させていく。

二つ目が、「部分的改善でなく、全社的全体改善を行う」こと。一部のスタッフや一部門の改善ではだめだ。その理由に、ホワイトカラーの数の増大が挙げられる。ドラッカー氏によると、米国の場合、総人口比の8割がホワイトカラーだそうだ。

一方、ブルーカラーの数は、2010年に10%を切って、農業人口と同じ数字になるそうだ。日本のホワイトカラーの数は、総人口比の7割という数字をみたことがある。

いずれにしても、3分の2がホワイトカラー。となると、ブルーカラー主体の、日本が得意な製造現場の改善は、会社として行っても得がない、というケースが多くなるのは必然で、実際そうなってきている。

ホワイトカラーも交えた、会社全体が、どうやって効率の良いモノ造りをやっていくかが、21世紀の大きなテーマとなっている。最後の三つ目が、「仕組みを改善する」こと。

従来は、目に視えるサブシステム単独の改善だったが、これからは、小さなシステム同士のつなぎ部分=仕組みをどのようにつないだら、より改善されるのかを考える必要がある。

さらに、仕組みが巨大化すればするほど、仕組みそのものをいかに計測化するかが重要。以前は、勘と経験でやっていた計測を、これからはIT技術を使ってさらに計測化していくことが、今後の課題となっていくだろう。

21世紀型改善のための体制づくりとは

では、最後に21世紀型改善のための体制造りとは何か。日々改善する習慣造りのほかに、「チェンジリーダーを育てる」体制を挙げたい。

チェンジリーダーというのは、課題に挑戦することができる、白紙でものを考えることができる、構想造りができる人間。改善の手法を知っている人ではなく、改善の考え方を体得している人で、40代前半のミドルマネージャーが候補生となる。

チェンジリーダーが多ければ多いほど、会社は成長していくのではなかろうか。
組織的に継続的に育成していくことが大事。私も育成された一人に過ぎず、絶えず、トレーニングを受けていた。

会社が21世紀に生き残るか生き残らないかのキーポイントは、「チェンジリーダー次第」だと思っている。

(終わり)

(本文は3月19日当社東京セミナー要約)


■4.編集部にいただいた貴重なご意見の紹介

―― 「あらゆる差を前向きに」 ――
日本技術企業株式会社 江見保則氏


宋会長様の「差」が エネルギーを生むお話、目からウロコでした。

私は昭和15年生まれです。何事も一つのパターンに当てはめて、これが唯一のもので他に道なしと考えてしまいます。

だから一つ失敗すると、もう人生もお終いとの方向に考えてしまうのが私の世代でした。

「差」は人生の価値ではなく、人生の 多様性を表現するものである。本当に個性を育てたいならば、あらゆる差を前向きに認める事が必要だ、との宋会長様のお言葉しっかりと受け止めました。


―― 「営業マンが評価される機会を」 ――
グローリー商事株式会社 大槻辰也氏

「WBS(ワールドビジネスサテライト)」 の特集を拝見させていただきました。

私も現場で十数年ほど「根性営業」経験しており、自分自身の姿を見る思いでした。番組の中でも指摘されいていました通り、けっして営業マン自身が努力や苦労をしていないわけではありません。

ただ、それが報われ評価される、あるいはそれによる充実感や達成感を味わう機会が少ないのだと思います。

現在は現場を離れ、営業事務や営業業務の企画に携わっております。一人でも多くの営業マンが「充実感」や「達成感」を味わえる機会が増えれば、お客様の満足度向上や会社の収益拡大につながるのだと思います。

※編集部注:文中にある、「WBS」の特集とは、4月21日に テレビ東京系列で放送された特集「営業を変えろ!さらば根性物語」を表します。

■5.編集部からのお勧め

最新号(6月14日号)の「プレジデント」では、
「時間とムダの科学」と題する、大変力が入った特集が組まれています。

ホワイトカラーの科学的効率改善について、
多くの取材レポートと研究と事例が紹介されています。

※96ページからは、宋文洲への取材記事が、
「ここが変だよ!日本のマネジメント」とのタイトルで掲載されました。

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