宋文洲 大絶賛!!
新営業支援システム
eセールスマネージャーRemix Cloud
ついに登場!
メールマガジン

メールマガジン バックナンバー 第99号(2008.06.25)

2008.06.25(第99号)

━━━

1.弁明ではないが…(論長論短 No.66)
2.浅野史郎さん連載コラム
「病識、常識、非常識」(第2回) 東京よ、おごるなかれ


━━━

■1.論長論短 No.66
弁明ではないが…

宋 文洲

「大新聞の恥」と題した前回のメルマガについてたくさんの皆様からコメントをいただきました。本当にうれしかったのです。

経験、知識の限界に、思い込み、勘違いのくせ。私の文章には、このような限界とくせが常に入っています。これは謙遜ではなく本音です。実は書きながら既に自分の意見に反論している時があります。

弁明ではないのですが、前回の場合、文章を書きながら「新聞以外のニュースもチェックしなかった自分が悪いよね」と思っていました。あえてこのような反省文を入れないのは文字数を節約し、テーマを「新聞の改革」に絞るためでもありますが、完璧ではない自分を素直に皆様の前に晒したかったのです。

テレビは全く見ないのではなく、気に入った少数の番組を見ています。多様な価値観とニーズに、柔軟に対応できない地上波の現状に不満を抱いているのはたぶん皆様も同じだと思います。多様性に対応できないから流行りのテーマを追いかけたり、無難なタレントに頼ったりするのです。私のテレビ業界の友人達も同様な危機感を持っています。

実は事件当日の日曜日は、一日中野外で農作業をして夕食の後はすぐ爆睡しました。翌朝は早起きしましたが、締め切りになった原稿の追い込みに励んだ後、そのままタクシーに飛び込みました。ネットやメールをチェックする暇がなかった、稀なケースです。

もう古い人間になったのかもしれませんが、ネットがいくら発達しても朝の新聞は楽しみです。あの匂いとあの重量感。トイレで読むのもまた良いのです。
いくら時間がなくても、パラパラと見出しを眺めるだけでも日本や世界で起きた重大な出来事がすぐわかります。

新聞が完全にネットにシフトし、紙による発行がなくなる日が来るかもしれませんが、悲しいお話です。紙の新聞を愛しているからこそ一斉の休刊に「恨み」を持ったのです。部数という量に拘らず紙の新聞を愛する客層に絞った新聞の経営改革を行ってほしいと思います。

数を絞れば無理な売り込みも要らなくなり、価格や流通の改革も可能になるはずです。コメントでいただいた理由は一応、私も知っていますが、経営改革とは横との比較ではなく、既存制度の改善でもありません。変化したマーケットを直視し、ビジネスプロセスそのものを見直すことだと思います。

経営改革を行っても10年後の日本に紙の新聞はもうないかもしれません。それは10年前の98年に今の世の中を想像できなかったことと同じです。しかし、そうだとしてもそれが過去の新聞の仕組みと商習慣を維持する理由にはなりません。

「10年後の朝。私はネット端末の電源を入れ、それを持ったままトイレに入ったり、ベッドに戻ったりするだろうか。嗚呼、するかもしれない。世の中に慣れるしかないからなあ…」。この記事を書きながら最後にこんなこともふっと思いました。

(終わり)

今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://www.soubunshu.com/article/101564777.html


■2.浅野史郎さんの連載コラム「病識、常識、非常識」(第2回)
東京よ、おごるなかれ

浅野 史郎

6月14日(土)8時43分、岩手・宮城内陸地震が発生した。宮城県は私のふるさとであり、2年半前までは知事を務めていたところである。栗原市での被害は甚大であり、土砂ダムの決壊による二次災害も心配されている。復興には、莫大なお金と相当の時間がかかるだろう。

死者・行方不明が20名以上であったが、同じような地震が東京や大阪などの大都市の人口密集地帯で発生したら、被害はこれだけではすまない。何万人規模での犠牲者が出るだろうという推計も目にした。木造老朽住宅密集地での対策は、遅々として進んでいない。ここを大地震が襲ったら、一体どれだけの被害が生じるのだろうか。

同じ日に、東京では、地下鉄副都心線が開通した。確かに、便利で素敵な乗り物である。既にして、東京の地下には、縦横に地下鉄が走り回っており、新しい地下鉄はどんどん深いところにできていく。東京をこれ以上便利にし、魅力的にして、どうするつもりなのだろう。ますます便利で魅力的になる東京に、人はどんどん吸い寄せられる。どこまでいったら終着駅に辿り着くのか。

大地震は、絶対に東京には起こらないということを前提にして、都市の発展、地下鉄の整備、木造老朽住宅の放置というのがなされているとしか思えない。
国家機能が集中している東京を大地震が襲ったら、国家安全保障上も大変な事態になる。そのことも大きな理由で、首都機能移転論議がなされたのだが、いつの間にか沙汰やみになってしまった。

地下鉄副都心線の開通のことで、別なことを思い出した。この新線開通は、全国ニュースとして、大きく報道された。報道されるのはいいのだが、大々的にというのに、違和感を覚える。東京でのローカルな話題ではないのか。だったら、全国各地の過疎地で、バス路線が閉鎖されたという出来事だって、全国ニュースで扱ってみろよと言いたくなる。

さらに言えば、報道では、「新宿で」とか「赤坂で」と簡単に言うが、全国には新宿、赤坂という地名はたくさんある。「東京の新宿で」、「東京の赤坂で」となんで言わないのか。 報道するテレビ局は、東京にあるから、いちいち「東京の」と言わなくとも当然と思い込んでいるのではないか。

東京は日本の中心であるとしても、日本そのものではない。たかだか、人口の一割しか住んでいないのだから、それ以外の地の人口のほうが圧倒的に多い。
大地震が来ないと決めつけるなよ、東京を日本全体と勘違いするなよ。東京は病んでいるかもしれないという認識、「病識」もないのではないか。つまりは、東京よ、おごるなかれということである。仙台から横浜に住所を移して4ヶ月。首都圏と呼ばれるところに再び住み始めて日の浅い今だからこそ、自戒をこめて、そう思う。

(終わり)

━━━
pagetop