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宋文洲のメールマガジンバックナンバー第295号(2016.02.19)

日本の三カ年経営を総括する

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1.日本の三カ年経営を総括する(論長論短 No.262)
2.とある会社の裏話 ~社長交代から会社が健康総合企業となった理由
  タニタのご紹介(タニタの谷田千里社長の新連載 第1回)

3.宋文洲TV出演のお知らせ

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■1.論長論短 No.262

日本の三カ年経営を総括する
宋 文洲

三年前から社長を続けているのであれば現在の経営数字に責任を取るべきです。
これが実業界の常識ですが、どうも安倍総理には通用しないようです。
日本のマスコミも遠慮深いから、不遜ながら私が総括してみます。

安倍政権が三年経った前期では、日本のGDP成長はマイナス1.4%でした。
過去三年間のGDP増合計も僅か2.4%でした。世界的景気回復の時期が重なっているにも関わらず、リーマンや大震災に当たった民主政権の三年間の5.7%増に大きく負けています。しかも、これは円ベースです。

IMFが出している主要国のGDP変化をみると、民主党政権の三年間ではGDPが合計18%増えましたが、安倍政権の三年間のGDPは合計30%減りました。
http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPD&c1=CN&c2=JP

景気を表す他の数字も安倍政権は民主党政権に完敗です。最近の3年間、実質賃金は100から95に下がり、貯金ゼロ世帯の割合は26%から31%に上がりました。
生活保護受給世帯数は156万世帯から162万世帯に、非正規労働者は1775万人から1971万人にそれぞれ増えました。何よりも1世帯の消費支出は2年連続マイナスになり2000年以降で最低に落ち込みました。これでも「経済が好調」と言い張るから敗戦前の「皇軍が善戦」と同じように見えます。

この三年間で何が一番増えたかというと、お金の増刷(2.4倍)でした。
それによって円安を起こし、株高を演出しました。「1円の円安=300~500円の株高」の方程式を使えば小学生でも株上昇の仕組みが分かってしまいます。

株をやってないから関係ないと思ってはいけません。安倍政権が株価を上げたいあまりに国民年金も最高値の時に株に突っ込んでしまったのです。逆にこの時に売ったのは殆ど海外ファンドでした。この大損はなかなか取り戻せません。
自分のお金ならば、彼らはあの時点で株を買ったでしょうか。

そして1月29日、下落相場をみて安倍政権が史上初のマイナス金利を敢行しました。
これを受けて三井住友銀行などは庶民の預金利息を0.001%に引き下げました。
これで百万円預金の年間利息は10円になり、一億円預金の年間利息は1000円になります。ATMを利用すれば確実に庶民もマイナス金利です。

実体経済に効果がないうえ、庶民の生活を苦しめる愚策になぜアベノミクスが突き進むでしょうか。私は戦前と似た意思決定の流れがあると思います。

ご存じの方も多いと思いますが、安倍総理には数人の東大出身の元官僚や学者のブレーンが居ます。彼らはノーベル経済学者クルーグマンの信者で「円を印刷すれば経済は成長する」と安倍総理に教えたのです。

ノーベル賞とはある極めて狭い分野で研究業績を評価するものであり、国家の経済を運用する能力とは何の関係もないのです。経済社会に入ったこともなければ投資経営の経験もないのにプライドだけは高い彼らは、米国権威の一説を教条的に受け売ることで国家を動かそうとしています。恐ろしいですね。

しかし、当のクルーグマンは昨年10月にニューヨークタイムズに「Rethinking Japan」の論文を発表し、自分の異次元金融緩和のアドバイスは17年前の日本の状況に基くものであり状況が変わった今の日本に適さないと表明したのです。
http://krugman.blogs.nytimes.com/2015/10/20/rethinking-japan/?_r=1

私の心配はここです。人間は誰にもミスがあります。だから緊張感をもって中間結果と情勢変化をみて機敏に修正すべきです。しかし、無謬論の陸士出身官僚がひしめく大本営は最後まで現実を否定し、破局に突き進んだのですが、現在の「大本営」には同じ過ちを犯さないでほしいものです。

P.S.

1. 今回のメルマガは「現金、現物、現実」を大切にする多くのビジネスマンに分かって頂けると思いますが、日本の中では異論であることに違いありません。
ご批判を喜んで受けます。
しかし、総括は大切ですね。実は過去の宋メールも総括してみました。
時間が経つと自分が言っていたことが正しかったかどうかはその後の現実が検証してくれます。およそ5年分の宋メールを総括した本「日中のはざまに生きて思う」が出ました。でたらめか、それとも真剣勝負か、皆さんも過去の宋メールをチェックしては如何ですか。
http://www.amazon.co.jp/dp/4822279693

2. 今日からはタニタの若社長谷田さんに寄稿していただきます。体重計からスタートした会社をここまで広げてきた発想力と行動力に頭が下がります。
しかもこれを主導しているのはこの若い後継者でした。
パーティーで知り合った時、冗談で「どうせならEDを測る機械も開発してくれればいいのに」と言いましたが、聞く彼の表情は真剣でした。
出るかどうかは彼が文章の中で触れるかもしれませんが、楽しみにしてください。
女性の読者の皆様、大変失礼いたしました。

(終わり)

今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://www.soubunshu.com/article/433961255.html
※いただいたご意見は自動的にコメントに掲載されます。
名前も掲載されますので、問題がある場合はペンネームをご入力ください。
また、次回以降の宋メールでご意見を掲載させていただく可能性がありますので
ご了承お願い致します。

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http://twitter.com/sohbunshu

今までの論長論短はこちら↓
http://www.softbrain.co.jp/mailmaga/list.html

■2.タニタの谷田千里社長の新連載 第1回

とある会社の裏話 ~社長交代から会社が健康総合企業となった理由

タニタのご紹介
谷田 千里

初めまして。もしくは、いつも大変お世話になっております。
ソフトブレーン様には弊社のSFA導入で大変お世話になったこともあり、今回メール寄稿をお受けさせていただきました。全6回という機会をいただきましたので、様々な側面から弊社の改革をご紹介していきたいと思います。

とはいえ、今回、弊社のお話しだけですと既にご存知の方は退屈ではないかと思いますので、まずは最近の感想で、過激な話題を1つ。
「日本を健康にしよう」という弊社の動きと関連するお話しです。

皆さんは「コンビニのドーナツ」をどのように思われますか?色々な意見があると思いますが、経営的に考えれば、次のようにお考えになるのではないでしょうか?あの奇跡に近いコーヒー販売!素晴らしい企画です。その成功の延長で、客単価を上げる、買い上げ点数を増やすということから、コーヒーに絡めて企画されたもので、妥当な考えである、と。
私の前職は経営コンサルタントだったのですが、その視点で見るとこんな印象を受けました。

ただ1点だけ注文をさせていただくとすると、「健康」を考慮いただけないかということです。

実は、私はお酒が好きではないのです。その代りと言ってはおかしいかもしれませんが、甘いものが大好きです。そういう意味では、ドーナツ販売は嬉しい企画です。しかしながら、国単位での健康を考えた場合、気軽にハイカロリーであるドーナツが食べられるようになり、しかもそれが習慣として根付くこと(≒コーヒーのように売上堅調となるということ)が、後々の医療費高騰につながるのではないかと心配なのです。

そういう意味で、別に「タニタ健康ドーナツ」を売ってほしいからお願いしているわけではありません。ここでお伝えしたいことは、既に皆様はお考えかもしれませんが、どの業界の方でもビジネスモデルをつくるときに、「国の健康」「国民の健康」を考えていただきたいということです。ビジネスの持続可能性を高めるためには、「健康」の視点が必要不可欠であると考えているからです。

仮にこの話を何方かにお話しされる場合は、是非ポジティブにお伝えいただけると幸いです。ちなみに、この件でコンビニ各社様と話し合ったことはありません。
私の一方的な思いということでお話しさせていただいていますことをご了承ください。

さて、弊社をご存じではない方もいらっしゃると思いますので、弊社の紹介を簡単にさせていただきます。

会社設立は1944年で、私は父親である先代にかわって2008年に創業家三代目の社長に就任。以降、経営改革に取り組み、健康総合企業として健康計測機器の製造・販売だけなく、「タニタ食堂」をはじめとするサービス面の充実も図ってきました。
沿革はこちらをご参照ください(http://www.tanita.co.jp/company/history.html)。

今後は、「タニタ食堂」の裏側や、弊社の改革過程で生まれた「タニタ健康プログラム」、また「タニタ流健康法」、そして「世代交代」と続き、最後に「総括」という形で終わりたいと考えております。
以下、続きます。お楽しみに。

(次回につづく)


■3.宋文洲のTV出演のお知らせ

2016年2月20日(日)
(1) 7:30~ フジテレビ「新報道2001」
http://www.fujitv.co.jp/shin2001/

(2) 13:30~ 読売テレビ「そこまで言って委員会NP」
http://www.ytv.co.jp/iinkai/
※放送エリアが限られます。下記からご確認いただけます。
http://www.ytv.co.jp/iinkai/area/

(終わり)

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