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宋文洲のメールマガジンバックナンバー第311号(2016.09.30)

自信のある人とは

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1.自信のある人とは(論長論短 No.278)
2.国家の安全保障戦略とは・・・2つの大事な指標
 (Yo-ren Limited CEO 金田修・連載 第2回)


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■1.論長論短 No.278

自信のある人とは
宋 文洲

富裕層向けの老人ホームを経営している友人から聞きましたが、老人ホームに入居しても大手企業の社長を経験した老人たちの多くは「○○元社長」の名刺を持つと言うのです。老人ホームの活動の中の自己紹介も「○○元社長の□□です」と言うそうです。

我々人間は生きている間に、常に「あなたは誰か」と問われます。その際、一番いいのは名前を言うだけで皆に分かってもらえることですが、そんな方は世界になかなかいません。名前を言えば分かってもらえる人はそもそも顔で分かるから名前を言う必要がありません。

「○○の□□です」も楽です。特に「○○」が有名であれば、一発です。
できれば○○が有名の上、「□□」がその「○○」にとってとても重要な存在であればもっと素晴らしいです。したがって有名会社の取締役や管理職はとても貴重な名札です。社長となれば最高です。死ぬまで使いたいでしょう。

しかし、ご本人は知らないかもしれませんが、老人ホーム経営している友人の話によると「元社長の名刺を持つ老人はだいたいつまらない人で老人ホームでは人気がない」と言うのです。

それはそうでしょう。老人ホームではもう昇進する必要もなければ金儲けをする必要もないので、大企業の元トップであろうか元外交官であろうが、話し難くてユーモアのない人には誰も用はありません。所属の組織を利用して「あなたは誰か」に答えてきた人たちは、一人になることが難しいのです。

一度社長になればなかなかやめられない最大の理由は一人の人間に戻ることが難しいからです。特に所属の集団やグループを重視する日本では、社長であることの便利さになれてしまうと中毒になります。

料亭やクラブに入ればオーナーから従業員やガードマンまで「○○社の社長」を知って小走りに迎えに来て90度のお辞儀で車まで送ります。ホテルや航空会社のカウンターでは必ず普通の人と異なる態度で特別に案内してくれます。
これに慣れてしまうと普通の店やカウンターに行けなくなります。

海外に行っても必ず地元にある支社や支店の幹部が丁寧に案内して特別な場所で配慮してくれます。一人でレンタカーを借りてどこかに行ったり、一人でふらっと地元の店に入って気楽に食事を楽しんだりする社長は少ないでしょう。

「自信を持つ」ことはとても大切なことですが、偉い立場に慣れた人達は皆自信を持っていると思うかもしれませんが、私はこれは砂の上に立つ楼閣のようなものだと思うのです。彼らは一個人としての生存力と野生を失い、組織に付着していないと生活さえできなくなります。これでは果たして本当の自信を持てるでしょうか。

私が思う自信のある人とは次のような人です。

1. 過去の立場や知名度を知られていなくても、過去の業績や功績を知られていなくても、一人の人間として他の人間とその場で打ち解け、人々に愉快な思いを与える人

2. 人に理解されなくても、敵視されても、依然として自分の意見や価値観を失わずその場の空気に流されない人

3. いくらお金があっても、いくら成功しても、それを知らない人たちと普通に人生を送り、普通に些細なことを楽しめる人

4. そして自信がない時に、自信がないことを受け入れた上、恰好をつけず全力で状況対応に当たることができる人

(終わり)

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■2.Yo-ren Limited CEO 金田修・連載 第2回

国家の安全保障戦略とは・・・2つの大事な指標

金田 修

今回からは、日々の事業の中での気づきをお伝えするはずだったのですが、2つ気になる中国の経済指標が先週発表されたので、その話をしたいと思います。

一つ目は、先月8月で、中国の原油輸入先のトップがサウジアラビアからロシアに変わったというニュースです。これは過去数年の傾向を踏襲した昨年比1.5倍となるロシアからの原油輸入量の急増が原因となっています。2015年までの輸入先は中東が輸入全体の過半数を占めていましたが、ウクライナ問題で孤立したロシアと中国の急速な接近に伴い、原油輸入先としてもロシアが一気に台頭したわけです。

背景には、アメリカの中東政策の変化があることは確実だと思います。
アメリカでシェールオイル採掘の技術が発展して原油生産量が急増しており、2011年をピークに原油輸入絶対額および依存率が減少してきているという見込みを重要な要因として、アメリカにとって中東の平和を維持することの正当性が失われつつあります。

これを反映して、日々ニュースとなっているシリア問題だけでなく、サウジアラビアとイランの国交断絶など多様な動きが起こっており、中東の政治リスクは大きく高まっています。

中国は1992年までは原油純輸出国でしたが、工業生産の増大と消費経済の発展に伴い輸入国に転じ、2015年時点では世界最大の原油輸入国となっています。
これまでアメリカが中東の警察をしてくれたことに一番恩恵を受けていたのは日本でしたが、気がつけば中国がその対象となったわけです。

アメリカがその役割を果たさなくなり、ロシアは逆にウクライナ問題などでヨーロッパ偏重を回避したい中で、中国は一気に原油調達先ポートフォリオを分散させているということだと思います。日本はというと、過去3年の数値を見る限り直近のロシアからの輸入量に大きな変化はありません。

もう一つは、海外直接投資です。これは日経などでも言及がありましたが、先週22日の発表によると2015年に中国の海外直接投資は日本を超えて世界第二位となり、中国への他国からの海外投資額を超えて投資超過の国に転じました。

別の回で中国への海外からの投資については議論したいと思いますが、こちらは日本からを除いて実は引き続き高水準で安定していて、対外投資額が前年比18.3%純増したことによる現象です。詳細を見ていくとロシア向け投資が昨年比367%増加、欧州への投資のなんと41.6%を占めています。日本はというと昨年のロシアへの投資は欧州への投資総額のわずか1.3%です。

北方領土問題の進展が話題になる背景同様、ロシアの対外的な立場が脆弱であることを踏まえたダイナミズムのなかでの動きだと思いますが、日本のやり方は政経バラバラという気がします。領土問題だけ議論しても、繋がりの薄い国、譲歩するメリットが薄い国に譲歩する理屈がわかりませんし、そもそも領土問題以上に、生活のためのエネルギーリスクの分散などのほうが安全保障上は重要ではないかと思います。

日本では経済協力を梃子に領土問題を解決云々という議論があるようですが、日本の相対的なロシア経済への貢献度合い、本気度合いを見ると、地政学上の大きな変更をもたらすインセンティブはロシアには一切ないと思います。

(つづく)

金田さんが創業したYo-ren LimitedのURLはこちら↓
http://yo-ren.com/ja/

(終わり)

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