ページの先頭になります。

ページ内を移動するためのリンクです。

ここから本文になります。

宋文洲のメールマガジンバックナンバー第270号(2015.03.06)

マイナス金利の怪


━━━

1.マイナス金利の怪(論長論短 No.237)
2.なぜいま西アフリカなのか--知られざる主要国「セネガル共和国」とは
  (アフリカ商会代表山田一雅さん 連載 / アフリカ大陸最西端、セネガルの「今」)


━━━

■1.論長論短 No.237

マイナス金利の怪
宋 文洲

義理の父親が200万円を郵便局に貯金しようとしたところ、年間の利息がタバコ一箱しか買えないと知って諦めました。

このようなゼロ金利の経済システムを「資本主義ではない」と長年批判してきた私ですが、最近すっかり立場が弱くなり、世界の流れ、特に先進国の流れにおいて行かれたのです。

先月、日本国債だけではなく、ドイツ国債も6年債までマイナス金利になりました。
先週、ドイツ政府が最初からマイナス金利を付けて国債を発行したのですが、なんと40億ドル全部問題なく完売しました。

スイス、オランダ、フランス、ベルギー、フィンランド、財政破断に近いイタリアまでマイナス金利付きの国債を発行しているのです。ネスレなどの企業債までもマイナス金利になってしまいました。

欧州では中小企業主がお金を銀行から借りる際、利息をもらうことに、女子学生が銀行に預金するところ、利息を取られることにそれぞれショックを受けました。

市場経済において、ゼロ金利、特にマイナス金利はいったい何を意味するのでしょうか。素直に考えれば、それは貸す側にとって「資本の増殖、あるいは保全を求めない」ことを意味し、借りる側にとって「資金に付加価値を付けなくていい」ことを意味します。

これはとても資本主義の原理原則に反するものです。資本主義はその名の通り、資本が優先なのです。資本を出す側が資本の拡大再生産を目指すものです。
一方の借りる側は利潤を生み出し、それを資本家と分け合う義務を負うのです。

このような現象はおそらく資本主義の歴史において起きたことのない珍しい現象でしょう。資本主義を信じて止まない人々にとって資本主義世界は極めて異常な時期に差し掛かっているのです。

資本主義を外側から冷静に見る人々にとってゼロ金利とマイナス金利は別の角度から見ることができます。

1. マイナス金利も受け入れるとは、現金以外はもっと危ないと思われているからだ。
2. 先進国(資本主義)が勝者のいない通貨安競争に突入している。
3. 対立軸を失った資本主義が、内部による反省と改革を疎かにしてきた。
4. イスラム過激派組織の成長は資本主義の過剰拡大に遠因がある。
5. 世界の多極化はパワーの多極化ではなくシステムの多極化だ。

大げさかもしれませんが、当たっていないことを祈ります。自分個人としては先進国のマイナス金利はとても「怪」だと思うのです。
今回の堅くてつまらない議論をお許しください。

(終わり)

今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://www.soubunshu.com/article/415075870.html
※いただいたご意見は自動的にコメントに掲載されます。
名前も掲載されますので、問題がある場合はペンネームをご入力ください。
また、次回以降の宋メールでご意見を掲載させていただく可能性がありますので
ご了承お願い致します。

宋のTwitterはこちら↓
http://twitter.com/sohbunshu

今までの論長論短はこちら↓
https://www.softbrain.co.jp/mailmaga/list.html

■2.アフリカ大陸最西端、セネガルの「今」

なぜいま西アフリカなのか--知られざる主要国「セネガル共和国」とは
アフリカ商会代表 山田一雅

----------------------------------------------------------------------

【忙しい方のための3行まとめ】
・アフリカの中でも特に参入余地やポテンシャルの大きいのが西アフリカ
・EUのような共同体を持つ西アフリカで、セネガルはハブの役割を果たしている
・主食は米で治安が良く人が親切と、セネガルは日本人にもハードルの低い国である

----------------------------------------------------------------------

宋メールの読者のみなさま、おはようございます!
アフリカ商会の山田一雅です。
連載2回目の本日は、西アフリカの構成やセネガルの特徴などを記します。

<西アフリカ・セネガルとはどこか、なぜいま西アフリカなのか>

まずは、地図で西アフリカを見てみましょう。西アフリカは青色の国々、セネガルは赤色の所です。(リンク先画像1枚目)
http://africa-shokai.jimdo.com/アフリカ写真集/その他の写真/

国際連合は、西アフリカを以下の16か国と定めています。
ベナン、ブルキナファソ、カーボヴェルデ、コートジボワール、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、トーゴ。
(出典:United Nations Statistics Division)。

ビジネスのラストフロンティアとして注目を浴びているアフリカ。
アフリカでのビジネスは、先進国と異なり1国当たりの市場規模が小さい事から、地理、言語、治安などを考慮し、地域展開の戦略を練ることが重要です。

連載1回目でも触れましたが、東部、南部、北部には、すでに多くの世界的大企業や、同じアジアのインド企業、そして中国企業が進出しています。

ですが、そんなアフリカの中でも、進出が比較的進んでいないため日本企業にも参入のチャンスがあり、かつアフリカで一番のGDPを誇るナイジェリアを有する大きなポテンシャルを秘めた地域があります。それが西アフリカです。

そんな西アフリカの中でも最西端に位置するセネガル。人口は1413万人。
過酷な自動車レース「パリダカールラリー」で有名な首都ダカールは、200万人の人口を擁します。

旧フランス領のため、公用語はフランス語。漁業が盛んで、タコや魚は日本にも輸入されています。日本企業はコマツ、三菱商事など数社が進出していますが、現在日本企業が運営する店舗はありません。一方で、セネガルでも日本および日本製品に関する信頼は厚く、日本メーカーの自動車、PC、デジカメ、固定電話などが売られています。

また、日本料理屋もダカール市内だけで複数ありますが、日本人が経営するお店はなく、韓国人やレバノン人などが経営しています(今年中に私の友人の日本人が日本料理屋を開業予定です)。

<EUのような共同体を持つ西アフリカ、ハブの役割を果たすセネガル>

西アフリカには、15カ国からなる「ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)」と8カ国からなる「UEMOA(西アフリカ経済通貨同盟)」という組織があります。
UEMOAは歴史が古く、また域内で共通の通貨「セーファフラン(XOF)」と言語(フランス語)を使用しているため、ECOWASと比較して同盟が上手く機能しているといわれています。

一方で、今後の西アフリカの発展のため、UEMOAよりも規模の大きいECOWASに寄せられる期待は大きいものとなっており、この2つの組織がいかに上手く連携していけるかが、今後の西アフリカの成長の大きなカギを握っています。

ECOWASの主要国はナイジェリア、コートジボワール、ガーナ、セネガルと言われていますが、その中でUEMOAにも所属しているのはコートジボワールとセネガルです。この2国がECOWASとUEMOAのハブとなる重要な役割を担っています。

セネガルの首都ダカールには、UEMOA域内の共通通貨を発行する西アフリカ諸国中央銀行の本部があります。コートジボワールにて2002年、2010年と内戦が起きたこともあり、アフリカ随一の安定した治安の良さを誇るセネガルに、より一層の期待が集まっています。

実際、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)のリーダーをセネガルのマッキー・サル大統領が務めるなど、セネガルは国際社会にとって信頼のおけるパートナーとして、西アフリカの政治的安定や経済発展のために主導的役割を果たしています。

また、欧州からのアクセスやビジネス環境が良いことから、ダカールには国際的な組織やグローバルカンパニーの仏語圏アフリカの主要拠点が置かれています。
たとえばIT関連企業では、Microsoft、Google、IBM、Ericssonなどがオフィスを構えています。

<主食は米、治安が良い、人が親切--日本人にもハードルの低い国セネガル>

セネガルの主食は、日本と同じくお米です。セネガル米はもちろんですが、タイ米、そしてなんと日本米など十種類近くのお米が売られています。また、旧フランス領のためパンもとてもおいしいです。(リンク先写真2枚目は、セネガル版ハヤシライス「チュー」。日本人の口に合う味です。)
http://africa-shokai.jimdo.com/アフリカ写真集/その他の写真/

また、セネガルは1960年の独立以来紛争の無い国で、アフリカ随一の治安の良さを誇ります。(参考:在セネガル日本国大使館 大使挨拶)

そして、何より人がとても親切です。セネガルでは、困った時は当然のように皆で助け合う「テランガ」の文化が根付いており、セネガル人もそれをとても誇りに思っています。

例えば、セネガルのバスは日本の満員電車のように混雑するのですが、お年寄りや荷物の多い人には席を譲ったり、座っている人は立っている人の荷物を膝の上に置いて持っていてあげたり、ということが当たり前に行われています。

ビジネスのラストフロンティア、アフリカの中でも、特に参入余地やポテンシャルの大きい西アフリカ。西アフリカの拠点として有望で、日本人にもハードルの低い国セネガル。この国をよく知る事で、アフリカへのイメージが変わるかもしれません。

(つづく)

<連載へのご意見はこちら↓>
africa.shokai@gmail.com
https://www.facebook.com/messages/1617567685141812

<筆者について>
山田 一雅(アフリカ商会 代表)
アフリカ商会 Webサイト:http://africa-shokai.jimdo.com/
アフリカ商会 Facebookページ:https://www.facebook.com/africa.shokai

セネガル在住。
日本企業のアフリカビジネスの支援(営業代行、展示会出展代行、市場調査等)や個人向けにアフリカでのホームステイ先の紹介などを行っている。
趣味は野球。千葉県出身(八千代市、佐倉市)。

(終わり)

━━━

ページの終わりになります。

このページの上部へ戻ります。