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宋文洲のメールマガジンバックナンバー第346号(2018.02.23)

安心、安全と豊かさを増やす方法

テレビを見ながら宋メールのテーマで悩んでいると大学生の長女が電話をかけてきました。大学の近くで行われた地元の馬術競技の大会に出た時の思い出を教えてくれました。

「大学にずっといると教授や生徒としか付き合わないけど、馬術競技大会に出ると地元住民や遠くから来た参加者たちと知り合える。食事会に誘われたり、ものを安く買える情報を教えてもらったりしてテリトリーが広がった。」

「乗馬をやっててよかったね。」と私が言うと、彼女がすかさず言いました。「乗馬でも何でもいいけど、所属が違う異なるコミュニティとの繋がりを持つとテリトリーが増えて自分が強くなる。」

私がまとめる前に娘にまとめられてしまったのがうれしかったです。それは私がどうしても娘を米国に送りたい理由でもありました。別に米国とは限りません。中学校まで日本に居た彼女にまず米国と中国の社会を早く経験してほしかったのです。今年秋から彼女は米国の大学の交換留学生として上海の大学にいく予定です。

子供たちが全員留学に行ったおかげで今年の春節は妻とゆっくり北京で過ごせました。一番気に入ったのは中国の「春節晩会」でした。これは日本の紅白と違って一種のお祝いパーティの中継です。大晦日は中央テレビが全国に数か所会場を設け、歌、雑技、踊り、漫才、花火など、さまざまな方法で楽しさを盛り上げます。

8億人も視聴するといわれるこの中央テレビの番組は半年前から準備するのですが、それが終わってから各省の地方テレビがまた地元に密着するお祝い番組を組みます。娘の電話を受ける時に見ていたのはまさに各地の番組でした。

よく見ると各地の番組にも、中央テレビの番組に出ていた芸能人達がバラバラと番組に出ていました。中央テレビの人気アナウンサーも高い報酬をもらえるからこぞってあちらこちらの番組に出ていたのです。

副業可能かどうか未だに議論している日本のサラリーマン社会を思い出してしまいました。政府支配の中央テレビの職員でも副業して当然です。呼ばれる以上、報酬次第です。別に生活に困っているからではなく、稼ぐ自由は当然の権利だからです。会社としても調整可能であればどうぞお好きなようにと寛容です。

日本の改革がなかなか進まない深い理由は日本人のテリトリーの狭さにあると思います。特にここ20年間においてこの傾向がむしろ強くなってきました。三日前、スタンフォードを卒業した友人から聞きましたが、ここ20年間スタンフォードを学部生として卒業した日本からの留学生はゼロです。このことにショックを受けましたが、日本のサラリーマンの組織依存体質を考えると当然の結果でもあります。

20年前の1998年から比較した場合、日本のGDPも個人収入も今とそれほど変わりません。しかし、米国は2倍になってインドが6倍になって中国は13倍になりました。

たぶん、日本以外の国がもっと頑張ったからではないと思います。活動するテリトリーを増やしたからだと思うのです。今風に言えば異なる国、異なる文化、異なる分野で活躍する人が増え、グローバル化が進んだ結果だと思います。

「世界の真ん中で輝く日本」、「一億総活躍」など、政治家の思い込みでいくら叫んでも社会を動かすのはあくまでも一人一人の本音と欲望です。他の人は他の人に任せていいですからまず自分と自分の子供たちが将来、活躍するテリトリーを増やすことが一番大事です。

それが安全と安心につながり、豊かさにつながるのです。

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