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宋文洲のメールマガジンバックナンバー第285号(2015.10.02)

「私を選ばないあなたは常識がない」


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1.「私を選ばないあなたは常識がない」(論長論短 No.252)
2.サポートテクノロジーへの疾走とオプティム倒産の危機
  (オプティム菅谷社長の連載「ぼくらの地球規模イノベーション戦略」 第4回)


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■1.論長論短 No.252

「私を選ばないあなたは常識がない」
宋 文洲

先日、香港のフェニクスTV(Phoenix Satellite Television)に出演しました。
テーマは日中関係であるため、プロデューサーに日本人ゲストを誘ってほしいと頼まれていたのですが、言葉や時間の問題で失敗しました。
すると「宋さんが可能な限り日本の立場を代弁してもらえないか。」とプロデューサーに頼まれました。結局、私が軍や共産党の論客と論争する設定になりました。日本のテレビでも、中国のテレビでもタカ派と論争するとは皮肉な話ですが。

たとえば安保法の議論になると、本音で言えば私も反対です。
議論の方法が強引な上、憲法違反も明らかだからです。しかし、私は安保法に「理解」を示さないとならないので以下のように言いました。

「日本の立場に立って考えれば、台頭してきた中国に対して警戒するのは当然だ。
新安保法の内容はともかくとして、日本は自国の安全政策を決める自由がある。
中国は日本の内政についてコメントをすべきではない。」

「中国には中国の立場がある。日本も理解してくれないと。」・・・当然ながら反論を受けましたが、結果的に「日中関係はとても大切なので双方の違いを棚上げして、経済中心に徐々に関係を改善していくべきだ。」との纏めで番組を終えました。観客席からの日本人留学生やメキシコ留学生の発言も大変よかったです。

ところが、番組出演を終えて日本のニュースをチェックするとびっくりしました。
インドネシアが日本の新幹線を採用しなかったことについて、日本の官房長官が「理解しがたく、極めて遺憾である」とか「まったく常識では考えられない」と批判したのです。受注に失敗した側が顧客の判断を「理解できない」「極めて遺憾」「常識がない」と批判するとはどういうことでしょうか。

政治問題ならわかりますが、発注側の顧客に向かってこれらの言葉を吐くとはまさに「常識がない」行為であり、顧客のニーズや気持ちを「理解できていない」証拠です。受注に失敗して当然でしょう。

良い物が売れるのではなく、売れる物が良いもの。これは宋メールが繰り返してきた己惚れ経営への警戒の言葉です。売れないのに物がいいと自慢する経営者には必ず共通点があります。それは、

(1)顧客のことを「神様」と祭り上げながら上から目線で自社の技術力や品質ばかり強調して顧客に押し込む

(2)競合製品との勝負には熱心なくせに、製品を離れて顧客の悩みを深く掘り下げる努力をしない

などの顧客中心ではなく、自己中心の姿勢です。

私は日中間の高速鉄道の技術や品質の差を知りませんが、乗った感覚としては中国の高速鉄道は新幹線よりもっと揺れが少なく静かです。初期に事故も有ったのですが、むしろそれがきっかけで管理が厳しくなり安全性が格段に上がりました。高温酷寒など様々な環境の下で、日本の約10倍の高速鉄道網をよくもこんな短期間にスムーズに製造し管理できるようになったものです。

9月17日、ロサンゼルス - ラスベガス間の高速鉄道を2011年に建設許可を得たXpress West社が中国の高速鉄道を採用すると発表したため、一旦迷走したインドネシアの高速鉄道は急速に中国方式に決まりました。

それでも日中間の技術差があったとしても、顧客のインドネシアはあくまでもそれを承知の上、自分の都合で総合的に判断したはずです。「理解できない」「常識では考えられない」とは「私を選ばないあなたは常識がない」と言っているのです。

五輪エンブレムのように、公募前に密かに特定な人に要請するアンフェアな体制、五輪スタジアムのように、国際価格の数倍もする公的資金への甘い体質・・・
他人批判よりも、競争力を高める構造改革こそ、競合に勝てる最善の方法でしょう。

(終わり)

今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
http://www.soubunshu.com/article/427050476.html
※いただいたご意見は自動的にコメントに掲載されます。
名前も掲載されますので、問題がある場合はペンネームをご入力ください。
また、次回以降の宋メールでご意見を掲載させていただく可能性がありますので
ご了承お願い致します。

宋のTwitterはこちら↓
http://twitter.com/sohbunshu

今までの論長論短はこちら↓
http://www.softbrain.co.jp/mailmaga/list.html

■2.オプティム菅谷社長の連載「ぼくらの地球規模イノベーション戦略」 第4回

サポートテクノロジーへの疾走とオプティム倒産の危機
菅谷 俊二

前回のメルマガでは、ベンチャー創業以前のお話をさせていただきました。
今回は、オプティムの変化と倒産の危機についてのお話をさせてください。

創業して5年経った2005年、オプティムを変える大きな出来事が起きます。
最初は「iCM」で業績を伸ばしたのですが、当時まだまだインターネット動画が
はやっておらず、新しいサービスも創っていこうということになりました。
まず開発したのが「manaboo-」という遠隔パソコン学習サービスです。

当時はインターネットを使うにはパソコンを使わなければならない時代でしたから、ブロードバンド・パソコン教室「manaboo-」がとてもユーザーに喜ばれ、売れるのではないかと思いました。

NTTさんに提案したところ、返ってきた反応は意外なもので、そしてその後のオプティムにとってとても大切な事を教えていただけたのです。

「ラーニングもいいけれど、一番困っているのはサポートだ。」
「さらに言うと最初の設定を完全に自動化したい。」

「フレッツ」の利用者は、インターネットを利用するために自分でパソコンとルーターを設定するのですが、ほとんどの人が初めてのやることで、多くの利用者は設定ができないのだと言います。そもそもルーターは、さまざまなメーカーから発売されていて、機種が多いぶん設定方法も統一されていなかったのです。だからコールセンターへ問い合わせが激しく殺到し、パンク状態になっていると。この状況を打開できるような、技術、サポートがないだろうかとおっしゃるのです。

日夜考え続けて、ある時、閃きます。なぜ専門家の方が初めて見たルーターでも設定できるか。それはルーターの設定画面が日本語で記載されているからだと。
ではコンピュータにもこの言葉を解析させてやれば自動で設定させることができるのではないか。ルーターの完全自動設定技術(のちにAIC、Auto Intelligent Configuratorと呼ばれる)の誕生です。

その後、ほかの仕事は一切せず、AIC技術の開発を始めました。
NTTさんへの提案は成功し、みんなも大喜びで、私たちが採用されたかのようなお祭り大騒ぎ。ですが、この時、私たちは想像もついていませんでした。
まさかオプティムがこの直後、倒産の危機に直面するとは。

大企業との大きなプロジェクトを経験したことのない私は、すぐに仕事が動き出すだろう、そう思い込んでいました。今にして思えば当然のことで、大企業では重要なプロジェクトに対する意思決定を行うまでに相応の時間がかかります。とはいえ、その間にも会社の預金残高はどんどん減っていき、会社の預金残高がついに37万円というところまで来てしまいました。

次回、窮地からの脱出と新たな挑戦について、ご紹介させていただきます。

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2015年9月1日に、弊社オプティムの東証一部への市場変更申請を発表させていただきました!
昨年2014年10月の東証マザーズ上場から東証の規程上最短の1年、2015年10月での東証一部上場目指します!
関連ニュースへのリンク↓
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20150901-00935031-fisf-stocks
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(つづく)

オプティム ホームページ
http://www.optim.co.jp/
著書:ぼくらの地球規模イノベーション戦略
http://www.amazon.co.jp/dp/4478083754

(終わり)

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