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宋文洲のメールマガジンバックナンバー第324号(2017.04.14)

漢文と中国文化を排斥してみたら

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1.漢文と中国文化を排斥してみたら(論長論短 No.292)
2.ソフトブレーングループからのお知らせ(セミナー&最新情報)

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■1.論長論短 No.292

漢文と中国文化を排斥してみたら

宋 文洲

敗戦直前、日本は英語を「敵性」語として排斥した時期があって、野球の「ストライク」を「正球」に、「ボール」を「悪球」に変えたそうです。笑い話のようですが、当時はれっきとした国民運動でした。

つい最近、作家の百田尚樹氏が似たことを言い出しました。彼が「中国を偉大な国と勘違いさせる」「中国文化は日本人に合わぬ」などを理由に漢文の授業を廃止すべきだと主張したのです。

才能のある作家なのに歴史や文化に無知ですね。「日本書紀」や「万葉集」などの日本の古典は全部漢文であるため、漢文が分からないと日本の歴史と文化も分からなくなります。お箸や豆腐などの食文化から書道や華道などの芸術文化まで、すべての中国の文化が日本に合わないと言うならば、百田氏は仕事も生活もできなくなります。

百田氏は教育勅語を幼児に暗記させる籠池氏の幼稚園を熱心に応援していましたが、その教育勅語は殆ど漢文であることを知らないでしょう。皇室の年号が漢文の古典からとっていることも知らないでしょう。(「平成」は「史記」と「書経)から)。彼は自分の生計を立てる小説に無数な漢文が含まれていることも知らないでしょう。

極右の人々が愛してやまない靖国神社の遊就館だって「筍子」の「君子居必擇故郷、遊必就士」からとったことも知らないでしょう。中国侵略を行った陸軍士官のカバンに「孫氏の兵法」が入っていることも知らないでしょう。

日本文化の核心にある「礼」「仁」「義」「忠」「士」はまさに儒教の基本であり、家庭の「親孝行」や企業の「年功序列」も儒教の教えなのです。むしろ中国における儒教の影響はほかの思想によって薄められたのです。焚書坑儒はその対立の象徴です。

中国人である私は日本人が漢文と中国文化を取り入れることについて特別な感情を持ちません。それは日本人の都合であり、我々からお願いすることも拒否することもできません。一部の心狭い日本人のようにすぐそれがパクリだのコピーだのと思いもしません。

「中国に纏足があった」、「宦官があった」、「儒教があった」などの理由で日本の文化と中国の文化がまったく違うと主張する最近のニセ右翼は単に日本の文化と歴史を分からない人々です。中国も日本も長い歴史の中でいろいろな民族と文化交流し、時代の変遷と共にその文化を変え続けてきたのです。

世界的視野で見れば日本文化は中華文明の影響を受けながら進化してきたものです。中国ではもう存在しないものも大切に守り、新しい花を咲かせたところがたくさんあります。今日、我々中国人が京都に行って古き良き中国文化の発展型を見て日本の文化努力に感心と感謝するばかりです。

また、いち早く西洋文明を受け入れ、漢字を使って新しい単語を作り出したことにも感謝しています。「中華人民共和国」の中の「人民」も「共和国」も日本が作ってくれた和製漢語です。中国人にそれは「日本が作ったから使うな」という発想はありません。

百田氏が本当に日本を愛しているならば、もっと日本の歴史と文化を知ってほしいものです。そしてその文化の源流にあるものについても知ってほしいです。無知は尊大と無謀につながり、戦争を招き、最終的に国を弱めるのです。

P.S. 今の北朝鮮情勢に関心のある方は以下を読んでください。

北朝鮮情勢は本当に危ないか

昨日、友人から日本の右翼系評論家の文章が送られてきました。尤もらしい「中国内部情報」を出しながら北朝鮮情勢が如何に危険か、また韓国渡航について外務省が「危険情報」を出すべきだと訴える内容でした。友人が社員の安全を心配し私の意見を求めてきました。

まず日本の右翼系の情報は世界で最もあてにならない思い込みに基づく情報の一つであることを言っておきます。2011年7月、産経新聞が「江沢民死去」の号外を出したのはその象徴的な情報でした。産経の阿比留論説委員が小西議員のデマを流し敗訴したばかりです。

次に、右翼系評論家の分析は客観性と多角性がなく驚くほどパターン化されていて結論ありきです。

私は友人にこう言いました。
他は知りませんが、少なくとも中国に関する『内部情報』は彼らより正確です。情報がでたらめだから結論は当然あてになりません。私の見方としてはむしろ北朝鮮情勢はよい方向に向かっていると思います。

北朝鮮の核所有について米中だけではなく、日韓も共通して許さないため、除去は時間の問題です。だから北朝鮮核の危機よりも、北朝鮮核の危機に対処するために米中日韓が連携するかどうかが重要です。特に米中が真剣そして本気に連携すれば北朝鮮核の危機は変数を抱えながらも解決に向かうのです。

米中首脳会談のメインテーマはもともと「北朝鮮」と「貿易不均衡」でした。会談直後にトランプがツイッターで「中国が北朝鮮問題で協力してくれれば、貿易交渉はよりよくなる」と発信しました。米国と中国の情報を総合的に読めば確かに会談でそのような合意に至ったようです。つまり、トランプが選挙中に挙げた貿易戦争の旗を降ろすためにも、見た目のネゴシエーション(交渉)成果が必要です。それが北朝問題への中国の協力です。

一方、中国も北朝鮮核の問題について政策が行き詰まっています。独自の力で解決する能力を持っていません。米国と協力して解決する以外に方法はありません。トランプの提案は「渡りに船」という感じなのです。そもそもその「提案」は数か月にわたる双方のチームによるネゴシエーションの結果でしょう。

世界経済の成長センターは東アジアです。ここの平和を壊すことは米国を含む世界経済を壊すことです。米中日韓の指導者と政策当局はそこまで愚かになっていないでしょう。

米中首脳会談の直後に北朝鮮の石炭は返品されました。会談4日後の12日に、習近平はまたトランプに電話しました。そして同じ日に金正恩が19年ぶりに外交委員会を復活させました。世界とともにアジアも大きく変革するにはちがいありません。よい方向に向かっていると思います。

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漢文と中国文化を排斥してみたら

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