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宋文洲のメールマガジンバックナンバー第303号(2016.06.10)

舛添問題の問題

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1.舛添問題の問題(論長論短 No.270)
2.「チャイナリスク」関連倒産の増加とその背景
 (東京商工リサーチの河原光雄社長・連載 第3回)

3.宋文洲ラジオ出演のお知らせ

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■1.論長論短 No.270

舛添問題の問題
宋 文洲

私は地上波をあまり見ないのですが、たまに妻が見ているテレビ番組が聞こえてきます。「舛添氏が公費でクレヨンしんちゃんを買った」との台詞を聞いた時、思わず笑ってしまいました。

マスコミが頑張っても出てくる舛添氏の問題はせいぜい「公私混同」程度です。
「家族と泊まった旅館で公務をしたか」とか、「ヤフーオクションで買った画は本当にプレゼントに使ったか」とか、聞いているうちに何だか笑えてしまうことが多いのです。

同じ東京都の問題として挙げられていた18億円もの使途不明金についてなぜ詳細を追求しないのか。同じ自ら弁護士に依頼して調査をしているJOCの2億3千万円の情報はなぜすっかり扱われなくなったのか。クレヨンしんちゃんの本は面白いかも しれませんが、甘利氏の現金受取や秘書の高級車要求などの犯罪疑惑を取り上げる意欲はまったくありません。

もし舛添氏のような問題をこれほど公共電波を使って取り上げる必要があるのだとすれば、他の政治家のこれよりもはるかに大きな問題に触れないのはなぜでしょうか。

こんな自問をすること自体、幼稚だと分かっていても、ついついメルマガに書いてしまう自分は暇だなと思うのですが、皆が同じことを言う時は大体狂っている時だと考えるのが私の性です。

私は、中国の文化大革命を経験しました。普通の人々が既に財産を没収された資産家や地主を虐めるのを楽しんでいるように見えました。民衆のストレスを既に弱った「人民の敵」に発散させることによって毛沢東は大きな失敗を隠し、人々の不満を逸らすことができました。

決して舛添氏のための弁護ではありません(まあそう聞こえても仕方がありませんが)。賄賂などの、罪に問われる問題があれば厳しく追及すべきですが、法的に許される範囲の経費の使い方を追及しているうちにクレヨンしんちゃんまで出てくるとは見苦しいものがあります。一体、どこの何の勢力がここまでにして舛添氏に不満を持つのか、考えたくなります。

都知事とは米国大統領に近い直接選挙で一票一票の支持を受けてその地位に着いた地方自治体のトップです。別荘で一部の仕事をこなし、それに公用車を使うのは当然です。家族と泊まった旅館で仕事したって何にもおかしくないのです。
どこかのテレビは石原慎太郎氏の細かい経費の使い方を調べて文句を言ったのでしょうか。

トップの頭には常に仕事があり、緊急事態に常に備える必要があります。
シャワーを浴びても花に水をやっても急に考えが浮かんで急に電話をかけるのです。
緊急報告にも常に対応する義務があります。米国大統領は24時間核ボタンを守る必要があるように、直接選挙で選ばれたトップは最初からその責務自身が公私混同なのです。

都知事はマスコミの世話になった訳でもなく、マスコミの意向に沿って辞任する必要はないのです。記者クラブ制度や公共電波独占などの特殊な仕組みを以って言論の自由をコントロールしている日本のマスコミは長い目でみると日本を良くしているとは思えません。

そもそもいつの時代でも権力と資本は言論をコントロールするものです。
体制や形式が違っても人類の本質はそう簡単に変わりません。マスコミのせいにするよりも、一人一人が他人と異なる独自の思考を持つ心掛けが大切です。
私も間違っていることは多いのですが、宋メールは大勢と異なるところに意義を見出したいと思います。

(終わり)

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■2.東京商工リサーチの河原光雄社長・連載 第3回

「チャイナリスク」関連倒産の増加とその背景

河原 光雄

宋メールの読者のみなさま、こんにちは。東京商工リサーチ(TSR)の代表取締役:河原です。前回は、倒産が減少を続ける中、「チャイナリスク」関連の倒産は増加していることをお話しさせていただきました。

2015年度(4-3月)の全国倒産が8,684件(前年度9,543件)と減少しましたが、チャイナリスクに絡む倒産は120件(同63件)と増加しました。

東京商工リサーチでは、「チャイナリスク」関連倒産は、下記の8項目に細かく分類しています。

・「コスト高」(中国の人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
・「品質問題」(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
・「労使問題」(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
・「売掛金等回収難」(サイト延長含む)
・「中国景気減速」(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
・「反日問題」(不買、取引の縮小、暴動など)
・「価格競争」(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
・「その他」

「チャイナリスク」関連倒産120件のうち、中国の人件費高騰や相場変動などのコスト上昇に伴う「コスト高」が74件と全体の6割を占めています。2015年4月、東京地裁に民事再生法の適用を申請した皮革小物製造の岩﨑(株)(東京都)は、中国工場で製造した皮革製品を国内で販売していましたが、中国の人件費高騰の影響で製造コストが大幅にアップし、資金繰りが悪化しました。

このように安価な労働力に惹かれて中国へ生産拠点を移したものの、その後の人件費高騰などで計画通りの利益を確保できず倒産に至るケースが急増しています。
現状は、こうした負の連鎖はアパレル関連を中心に見られます。

また、2015年秋から中国の在庫調整で相場価格が下落していますが、価格競争で劣勢に陥り倒産するケースも増えています。金属スクラップ卸の(有)五洋興産(和歌山県)は、中国での鉄鋼需要の減退で相場価格が下落し、在庫簿価と販売価格の逆ザヤで資金繰りに行き詰り、今年2月和歌山地裁に破産を申請しました。

2015年夏に上海総合指数(上海株式市場)の大幅下落が話題になりましたが、合わせて鉄スクラップの市場価格も急落しました。その余波が直撃した格好で、2014年度に4件だった鉄スクラップ卸売業者の倒産が2015年は8件と2倍になっています。最近のスクラップ相場はやや復調しているとはいえ、日本国内の金属スクラップ業界は中国市場の動向に戦々恐々とした日々を過ごしています。

中国は経済発展の中で、生産能力が飛躍的に発展してきました。ところが、2016年3月の全国人民代表大会(全人代)では、在庫や設備などの過剰解消への取り組みを本格化する方針が示されました。これは国内需要の後退から鉄鋼や石炭、セメント関連業種など、建設・不動産関連で過剰を抱えていることが背景にあると推測されます。

中国政府は、過剰解消の取り組みを「供給側(サプライサイド)改革」と呼んでいます。国内で過剰となった在庫が世界市場へ流れ込むと、さらに相場価格の下落を招き、日本企業も収益の悪化を免れません。

これまで日本は、観光や流通業を中心にインバウンド(訪日観光客)による「爆買い」の恩恵を受けてきました。しかし、今後は中国企業の「爆売り」が本格化し、否応なしに価格競争に巻き込まれる可能性が現実を帯びています。
リスクを回避するには、中国の実態経済を正しく分析し、将来に想定される事態に備えることが必要です。

次回は、中国のマクロ経済の状況や中国の倒産、廃業の動向について、TSRのアライアンス先で世界2億5,000万件超の企業データベースを保有するDun & Bradstreet(ダンアンドブラッドストリート)の最新の調査結果をもとにお話させていただきます。

(続く)


■3.宋文洲ラジオ出演のお知らせ

2016年6月13日(月)16:00~17:30
ニッポン放送「ザ・ボイス そこまで言うか!」

宋がゲスト出演いたします。よかったらお聞きください!

(終わり)

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